松山英樹は何位? 「全英オープン」優勝予想番付
By Rob Bolton, PGATOUR.COM
優勝者にはそうなるだけの価値があったとしても、やはりその結果には毎年驚かされる。とはいえ、英ホイレークのロイヤルリバプールを会場にR&Aがホストを務めた2006年大会でタイガー・ウッズが3度目のクラレットジャグを手にしてからというもの、彼は毎年のように“有力候補”に挙がっている。トム・ワトソンがターンベリーGCでの2009年大会で優勝を逃した時も、少々の動揺が広がっただけだった。さらに、直近の2大会の覇者はアーニー・エルス(2012年)と、昨シーズンの3度目のメジャー大会で悲願の初タイトルを獲得したフィル・ミケルソンと、ゴルフ殿堂入りプレーヤーが続いた。
おそらくそれは、リンクスゴルフのさまざまな要素と特有の(不)運が我々の期待を超えるからなのだろう。確かにそれはフェアだ。今年で143回目、そしてロイヤルリバプールでは12度目となる「全英オープン」では雨と風の影響は排除できないが、逆にそれこそが「全英オープン」というものなのだ。
例外は、十分に乾燥したロイヤルリバプールで、ウッズが輝かしい次章の幕開けをした時だった。彼が記録した通算「270」は、セントアンドリュースでの2000年大会に2位に8打差をつけて「269」で優勝した時に次ぐロースコアだ。彼が優勝した2000年と2006年の大会はいずれも、パー72のコースで開催された(1990年以降の「全英オープン」の開催コースは、パー70または71)。というわけで、ウッズが2006年にパー5の4ホールでスコアメイクしたのはさほど驚きではない。彼はノーボギー、2イーグル、10バーディの14アンダーを記録した。同大会で彼が叩いた7ボギーはすべて、パー4のホールでだった。パー3のホールでは計3アンダーをマークした。
2006年大会よりも54ヤード長い、7,312ヤードというロイヤルリバプールでの今大会では、パー5の3ホールは後半9ホール(10、16、18番)に集まり、パー35から37でプレーすることになる。2006年には平均スコアが0.366オーバーで、パー5でのスコア平均は4.52と、同シーズンでは5番目に易しいコースだった。スクランブル率(47.53、2006年では2番目)は厳しかったが、パーオン率では平均で、まずまずの3分の2という結果に。パー4での(平均)スコアは4.20で、同年では5番目に良い数字だった。
パワーランキング:2014年 全英オープン
1位:ヘンリック・ステンソン
メジャー大会を制した中で、北欧のプレーヤーはまだ存在しない。ドイツでの「BMWインターナショナル・オープン」での2位タイをはじめ、直近6試合のうち5試合で7位以内に入っている。「全英オープン」では3度、トップ3入りを果たした。
2位:アダム・スコット
2012年大会での雪辱を、翌2013年のミュアフィールド出の大会での3位タイで晴らしたスコット。世界ゴルフランキング1位の彼は、9位タイだった「全米オープン」以来の参戦となる。
3位:マーティン・カイマー
大舞台でしっかりと決めるカイマー。ここ8ヶ月でトップ10入りしたのは、「ザ・プレーヤーズ選手権」と「全米オープン」で優勝した2試合のみ。2週間前の「アルストム・オープン・ド・フランス」では12位タイだった。
4位:セルヒオ・ガルシア
メジャーのタイトルを持たない選手の中では一番の活躍を見せていると思われるガルシア。ここで優勝してもおかしくはない。これまでの「全英オープン」では2006年の5位タイを含む、7度のトップ10入りを果たしている。
5位:ザック・ジョンソン
「全英オープン」で最後に予選落ちを喫したのはホイレークでの2006年大会。それ以降は2度のトップ10入りに2度のトップ20位入りと堅調。先週の「ジョンディアクラシック」では単独2位だった。
6位:ジャスティン・ローズ
早くから成功を収めたものの、かといって連覇の経験もないローズ。先週の「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」を制したが、「全英-」での成績は芳しくない。
7位:ロリー・マキロイ
厳しい局面に立たされると、2日目での雨天中止を望むかもしれないマキロイ。そんな彼は6月の「アイルランドオープン」に参戦したが、今年の14試合中唯一のトップ25圏外(76位タイ)に終わった。
8位:マット・クーチャー
数度の予選落ちを経験後、2012年に9位タイ、昨年大会では15位タイにつけたクーチャー。今季のPGAツアーでは9度のトップ10を記録し、平均スコアでは2位だ。
9位:グレーム・マクドウェル
最終日に調子を崩したケビン・スタドラーに代わり、2週間前の「アルストム・オープン・ド・フランス」を制したマクドウェル。その前の「アイルランドオープン」では6位タイだった。
10位:ダスティン・ジョンソン
PGAツアーでのパー5のスコアランキングでは2位で、全体的にも好調なジョンソン。「全英-」では2011年の2位タイを含む、3度のトップ15入りを記録している。パインハーストでの「全米オープン」では4位タイだった。
11位:ジョーダン・スピース
21歳の誕生日前の最後のメジャー大会となる「全英オープン」。2014年の19試合では、直近の5試合を含む15試合でトップ20入り。連覇をかけた先週の「ジョンディアクラシック」では7位タイだった。
12位:リッキー・ファウラー
ブッチ・ハーモンと手を組んだことが功を奏しているファウラー。「全米-」での2位タイや「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」での8位タイなど、3試合連続トップ15入りの状態で今大会に臨む。
13位:アンヘル・カブレラ
肩の負傷はすっかり過去のもの。「グリーンブライアークラシック」を制し、3試合連続でトップ25入りを果たした。昨年のミュアフィールドでの大会では11位タイ。2006年大会では単独7位だった。
14位:ブレンドン・トッド
「HP バイロン・ネルソン選手権」でツアー初優勝を飾ったトッド。その後の4試合ではトップ10入りし、初の「全米オープン」では17位タイと大健闘した。
15位:ブラント・スネデカー
コーチをブッチ・ハーモンに変更したことが、「全米-」での9位タイを含む3試合連続のトップ25入りにつながった。2012年の「全英-」は3位タイ、昨年は11位タイだった。
16位:フィル・ミケルソン
ミュアフィールドでの昨年大会での優勝は難しいと思われていたミケルソン。ここ14試合ではトップ10入りを逃しているが、うち6試合では20位以内に入っている。
17位:バッバ・ワトソン
リンクスゴルフとの相性は微妙なところで、予選落ちが続いていたが、2012年大会では23位タイと健闘。2014年はすでに2勝し、2位タイも2回、3位も1回と絶好調だ。
18位:松山英樹
数ヶ月の間、手首の故障に悩まされたのち、ミュアフィールドで大爆発した松山。昨年の同大会では初出場ながら6位タイの好成績を残した。
19位:チャール・シュワーツェル
「全英-」での9試合のうち、予選を通過した4試合すべてで25位内に(うち2006年大会では22位タイ)。今年は世界各地での14試合中8試合でトップ20入りしている。
20位:キーガン・ブラッドリー
「グリーンブライアークラシック」と5週間前の「全米オープン」ではいずれも4位タイに。昨年の「全英-」では15位タイだった。