TPCフォーシーズンズの芝の話・・・
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
ダラス・フォートワースエリアの厳しい冬だけでは足りなかったとでも言うのか、もしくは、乾燥した春の気候の影響からか、まるでバミューダ芝が成長しない状況下で、スコット・アバナシーはHPバイロンネルソン選手権に向け、またも試練に立ち向かわなければならなかった。
メンテナンス用具の大半を一度に入れ替えることを強いられたのだ。
2月に、TPCフォーシーズンズにあるメンテナンス用の建物が倒壊した影響で、50万ドルの価値がある設備の解体作業が行われた。それはトーナメントが行われる僅か3ヶ月前のことであった。
「メンテナンスの観点から言えば、僕らはあの時全てを失ったよ」とオペレーション&ランドスケープのリゾートディレクターであるアバナシーは述べた。「100%に近いところまで、修復するのはかなりの挑戦だね」。
約7600平方フィートに渡る建物が倒壊した時、中に人は誰も居なかった。
「ビデオに撮ってあるよ」とアバナシー。「本当に一瞬の出来事だったけれど、ケガ人は出なかったんだ。本当に皆、不幸中の幸いだったね」。
この倒壊は、グリーン用芝刈り機13台、輸送用の乗り物23台を含む、機器の在庫に大きな影響を及ぼした。しかし影響を受けたのは乗り物だけではない。乗り物を修理する為の工具類も大量に失ったのだ。
「そこには非常に高価で精密な道具等もあったけれど、回収不可能だった」とアバナシー。「道具の多くは埋まれてしまったよ。修復可能なものも幾つかあったけれど、殆どは壊れてしまったんだ。
周辺の製造業者の助けを受けて、フォーシーズンズは非常に短い時間で、基本レベルでのオペレーションを行うに充分なだけの用具を確保した。「幸運にも、シーズンの真っ只中ではなかったから」とアバナシー。「お陰で少し時間がとれたよ」3月のシーズン真っ盛りの頃には、仮設の建物ができ、用具も充分に揃い、ほぼ通常のオペレーションが可能になった。メンテナンス用の建物も新しく建設中で、今年の終わりまでには出来上がる見込みだ。
そこでフェアウェイとラフのバミューダ芝を修復し、再生させる時がきた。
「おおよそ54日、凍りつく様な日があった」とアバナシー。これはダラス・フォートワース都市圏エリアの例年冬に比べて、約2倍の日数だった。
「使用する肥料に、入念に取り組んだよ。必要以上にやるのではなく、窒素を何度も散布したんだ」。フェアウェイには色素も取り入れ、色を暗くすることで熱を吸収しやすくし、土の温度を上昇させた。「土の温度が上昇しなかったら、芝は成長しないんだよ」とアバナシー。
今でも少しラフには不安を抱えており、長さは2.25インチの設定にはなっているが、まだ不揃いだ。
「過酷な挑戦になるだろうね」とアバナシーは続けた。「フライヤーを生むライだから、(ラフに入れたら)ペナルティになることは変わりない。選手たちはスピンコントロールに苦労するだろうね」。
早いスタート時間の、濡れた芝のコンディションはプレーに影響を及ぼす要因になる。火曜の夕方に寒気が通過し、このエリアに2インチの降雨量が予想される。しかし大会中は、晴れて暖かい陽気になるようだ。