大会での自己最高記録を狙うB.ワトソン
TPCソーグラスでの「ザ・プレーヤーズ選手権」3日目、前半5ホール終了時点で3オーバー。バッバ・ワトソンのいう“若い頃”の彼であれば、この成績にヘソを曲げていたことだろう。
だが今のワトソンは、苦い経験から、ピート・ダイによる情け容赦ないスタジアムコースでのプレーには精神力が欠かせないことを学んでいる。「マスターズ」を2度制した彼はこの日、残りの13ホールに集中。14番からは4連続バーディを奪うなど、2アンダーの「70」でホールアウトした。
「このゴルフコースでは、すべてのショットに100%の集中力が求められる」と、ワトソン。「それがどんなに簡単な一打、または大変な一打であってもね。だから今日や今大会、そしてここでの過去2、3年はなんとか最後までやり抜くことに全力を注いでいる」。
「心理戦に関していえば、自分は良くなったと思う。序盤で調子を崩し、2、3のオーバーパーを喫していても、諦めなければそこからバーディが奪えるってわかったんだ」。
5メートル、1メートル弱、1メートル強、そして5メートル強とパットを決めて4連続バーディを奪ったワトソンは、5アンダーで上位10位に迫った状態(13位タイ)で最終日を迎える。「ザ・プレーヤーズ選手権」ではこれまでの出場6回で37位タイが最高だったのを考えると、目を見張るほどの進歩だ。
「正直に言えば、それよりもいいプレーをしようとしてる」と、大会前の火曜日に単独36位を目指すとジョークを飛ばしたことを交えて語るワトソン。「…今大会2日目で“72”と平凡な結果に終わったあと、僕はトップ25を目指そうとしていた。…でも3日目でバーディを量産してからは、トップ10入りを狙う気でいる。(最終日に)それよりも好プレーができたら、トップ5も夢じゃない」。
「でも今大会での優勝は奇跡でも起こらない限り、かなり難しいだろうね。だけど中盤あたりまで堅調ならば、トップ10入りは十分ありえるんじゃないかな」。
今季すでに2勝を挙げているワトソンには、今大会最終日を単独2位で終えれば世界ゴルフランキング1位になる可能性がある。