米国男子ツアー

2位と2打差で首位キープのマキロイが優勝に王手

2014/03/02 15:27

2年前、ロリー・マキロイ(北アイルランド)は「ザ・ホンダクラシック」優勝を果たし、世界ランキング1位の称号を手にした。

明日の日曜日(現地2日)、彼は18ヶ月ぶりにPGAツアーで優勝を手にするチャンスを得た。

マキロイはPGAナショナルでの3日目を「69」の1アンダーとし、2位のラッセル・ヘンリーと2打差で首位をキープ。

2位と1打差の3位には、通算9アンダーのラッセル・ノックス(スコットランド)が入り、通算8アンダーとしたジョナサン・ベガスが単独4位。

その後ろにはキーガン・ブラッドリールーク・ドナルド(イングランド)ら4選手が通算7アンダーで5位タイとしている。

2011年の「マスターズ」以降、マキロイは大会3日目までを終え首位に立った3大会すべてで優勝を飾っている。

「偶然ではなくて、色々と経験したことが生きているから」とマキロイは話す。

「3日目までのリードを守ろうとしてはいけないと学習したんだ。以前は守ろうという意識が強くて、慎重になっていた。だからこそ、それ以降54ホールを終えた時点で首位に立った試合で勝ててきた。明日もこの勢いをキープしたいね」。

それ以外にも、マキロイは昨年の大会から多くを学んだ。

1年と1日前、彼は2日目を終了せずに棄権。この理由を後に「精神的な疲労の影響」と明かした。しかしマキロイは、風が強まった午後でも冷静沈着にプレーしていた。

それを如実に証明したのはパー3の7番だった。マキロイはティショットを左に大きく外し、ドロップを余儀なくされた。そのホールをボギーとして耐えると、続く8番では3メートル弱のパットを沈めてパーを記録。マキロイは、これら2ホールについて「過去最もアップダウンが激しかった2ホール」と形容した。

マキロイは6番で3メートルのパーパットを外してボギー、さらに14番では1.5メートルのパットをミスしてボギーを叩いたが、4バーディを奪って挽回してみせた。

2位のヘンリーは、14番ホールを締めるのにパターを必要としなかった。ホールまで150ヤードの位置から第2打を直接決めてイーグルを奪取。その前後には12番でバーディを記録し、17番ではグリーン外から15メートルのロングパットをねじ込みました。

優勝した昨年の「ソニーオープンinハワイ」以降に出場した32大会でトップ10入りを果たしたのは僅かに2回だが、逆転優勝を目指せる好位置につけている。

ヘンリーは「ロイのプレーに気を向けないようにしているんだ。彼は素晴らしいプレーを続けているし、自分よりも優勝争いの経験が多い。でも、僕も自信があるから」と、明日に向けた意気込みを語った。

ストックトン効果

パッティングマスターとして知られるデーブ・ストックトンの恩恵を受けているのはマキロイだけではない。

ジョナサン・ベガスも昨年10月と12月にストックトンの指導を受け、今年もフェニックスとロサンゼルスで再び指導を受けた。パターのグリップを変え、ボールを“打つ”のではなく、“転がす”という感覚を意識に植え付けた。

「些細なこと」とストックトンは言うが、得ている結果は大きなもの。

ベガスは土曜日に僅か24パットを要した。その内の12パットはワンパットとし、「66」を記録。通算8アンダーで首位と4打差の位置につけている。

マキロイは先週アリゾナでストックトンの指導を受けた。それはグリップの際に右手の位置を下にし過ぎていた点の修正で、それ以降パットの調子が上向いた。
マキロイは、「修正のおかげでパターを楽にラインにつけられるようになったし、パターを地面に近い位置に置いておけるようになった」と語る。

その甲斐あってか、マキロイは3日目までを終え、PGAナショナル史上2位となる78パットしか要していない。

タイガー、今季ベストのプレーを披露

タイガー・ウッズは3日目に「65」を記録し、首位と7打差とした。これは、復調に向けた良い兆候と言えるだろう。

ここ7ヶ月で出場したPGAツアー大会で最少スコアを記録したウッズは、PGAナショナルでの2日目までと比べ、ボールストライキングとパッティングが共に大きく改善された。

「(金曜日は)ボールを上手く打てなくて、なんとか耐え凌いだ感じだった。今日は良い感じでボールを打てたし、パットも決められた」と、ウッズはラウンド後にコメント。

半数以上のホールでフェアウェイをとらえられなかったものの、11ホールでパーオンに成功し、今週を通して最少となる23パットを記録。

ウッズは、「今日は良いゴルフが出来たと思う」と、3日目を振り返った。

この日に記録した7バーディは今年最多。

2年前の「ザ・ホンダクラシック」では最終日を首位と9打差でスタートしたウッズは、「62」の猛チャージを見せ、優勝したマキロイと2打差の2位でフィニッシュした。

セカンドカット

PGAナショナルでは78人以上が予選を通過したが、土曜日を終えた時点で70位以上の選手がセカンドカットの対象となった。

最終日に残れなかった選手の中で目を引いたのは、ウィリアム・マガート。3日目を首位と5打差の6位タイでスタートしたマガートだったが、5ボギー、クアドラプルボギーを含む「78」と大苦戦し、脱落した。

マガートは最終18番でバーディを記録すれば最終日に残れたが、第2打をバンカーに運んでしまい、第3打もグリーン左に外れ、パーでフィニッシュ。

マガートの他にも、2日目を終え23位タイとしていたブライス・ガーネットジェイミー・ラブマークも「76」と低調に終わり、脱落した。