2014年 ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ

ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ、初日は4人が首位タイ

2014/01/04 17:08
例年好スコア続出の大会で初日は4人が7アンダーの首位に並んだ(Greenwood/Getty Images)

カパルアに足を踏み入れたジョーダン・スピースは、プランテーションコースでナイスショットが出ると考えていただろう。そんな彼の初日は予想を大きく上回る結果となった。

センセーショナルなPGAツアー初シーズンを終えたスピースは、2014年の初戦では最終ホールで12フィート(約3.6メートル)のバーディパットを決め、7アンダーの66をマーク。ボギーとは無縁だった。結果、同じく初出場組のマイケル・トンプソン、そしてクリス・カークウェブ・シンプソンと共に首位争いに加わっている。

「ボールをしっかり運んで、自分のプレーを心掛ければ、カパルアはボギーを量産するようなコースではない」とスピース。「今日に備えて、ここ2、3週間できちんと調整しては、あれこれ頑張ってきたんだ。第1ラウンドを終えた今、好位置に付いているので良かったよ」

一方、マウイの西海岸に吹く風は、かなりのサプライズだった。晴れることの多い午後の第1ラウンドを通じて、ボールが飛ぶ方向やスピードを変えてしまっていたからだ。とはいうものの、夜通し降った雨がコースの地面を十分柔らかくしたことも幸いし、今回の出場者30名のうち規定打数をオーバーしたのは2人にとどまった。

トップタイとなったカークは、コース入りした時はそんなオーバーパーを叩く一人になるかも知れないと考えていた。2ヶ月前にシーアイランドでの「マックグラッドリークラシック」で勝利して以来、プレーから遠ざかっていたし、最初の練習ラウンドはマット・クーチャースコット・ブラウンとの「スキンズ・ゲーム」で、80近く叩いて完敗していたからだ。

しかし終わってみると今回のカークのプレーは的確で、特に後半ラウンドでは5連続でバーディを決めている。とはいえ、上がり2ホールは容易なものではなかった。打ち下しの17番パー4(545ヤード)は、強烈なアゲンスト。ティショットでミスすると、3番ウッドで30フィート(約9.1メートル)に寄せ思いもよらないバーディを奪取した。また18番ホールでも3番ウッドと9番アイアンを駆使してバーディ。「最後の2、3ホールのバーディは、刺激的だった」とカークは振り返った。

出場者が若干鈍った感覚を取り払おうとするシーズン最初のラウンドとしては、各選手とも好スコアで回ったと言える。

全米プロ覇者のジェイソン・ダフナーは前半で4バーディ、1イーグル、後半は全ホールをパーで回り6アンダー67をマーク。ケビン・ストリールマンは最終2ホールでボギーを叩き、ザック・ジョンソンライアン・ムーアらと67で並ぶ展開に。上位10選手が3ストローク差以内につける結果となった。

オーストラリアで2勝するなど好調なアダム・スコットと、ディフェンディング・チャンピオンのダスティン・ジョンソンは共に70で初日を終えている。

こんな日には、これまでの経験は過大評価になるのかもしれない。「プレー回数が多くなればなるほど、アドバンテージも増えると思う」と話すのはカークだ。「今日はちょっと面白かったよね。風と共にあった日、というか。こんな風の中でプレーしたことはなかったよ。何度もプレーしてきた人でも、こんな風はほとんど経験ないんじゃないかな。慣れた人でも番狂わせの展開になるってわけ」

カパルアの地で初めてプレーする選手でさえも、ボールがいかにして地面に落ちるのかはテレビで十分見てきた。(マイケル・)トンプソンが18番ホールでの自身のティショットが数フィート(数十センチ)跳ね返るのを見て、ひどく驚いたのはそのせいだ。

「選手たちとこれまで話をしてわかったのは、そのボールは少なくとも40ヤード(約37メートル)は転がるということさ」とトンプソン。「だから今回のプレーは明らかに、とても違うものだった」

新年を迎える中、注目の的となりつつあるスピース。彼がルーキーシーズンを上回る活躍ができるかどうかは、特に気になるところだ。1年前の今頃はツアーでほとんど目立たなかったが、シーズン終盤の「ジョンディアクラシック」で初勝利を挙げ、「フェデックスカップ」では7位をマーク。さらに「プレジデンツカップ」では米国チームの一員としてプレーした。

今シーズンに向け、スイスイと進んでいるスピース。マウイの地にエージェントだけを伴って現れただけでなく、太平洋はもちろん、カパルアを満喫する時間を作っているのだ。「ある意味、ほとんど休暇でのトーナメントって感じかな。今のところ、最高の1週間を送れている。僕がここにいるのには理由があるわけで、家族は一緒にいない。それが一部の人に比べて、ゴルフに集中する強みになっているのは確かだね。アドバンテージでもあるんじゃないかな」

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