フィンチェム、アンカーストロークについて語る
PGAツアー・コミッショナーのティム・フィンチェムは23日の水曜日、「ファーマーズ・インシュランスオープン」にて開かれた会見の大部分を、全米ゴルフ協会とR&Aより発表されたアンカーストローク禁止の問題について費やした。
USGAの事務局長を務めるマイク・デイビスは選手全員に出席が命じられた火曜の夜のミーティングに参加。提案された新ルールについて話し合うため、カリフォルニアを訪れた。フィンチェムによると、今回のミーティングは、今後のルール公式化に向け、ツアー側が様々な意見を集めるスタートの場となったようだ。
以下は今回の会見のハイライトである。
ツアーが新ルールを採用しないというシナリオも考えられますか?
「厳密に言えば、その可能性もないわけではありません。しかし、当然のことながら、それは我々の目標ではありません。我々の目標はルールに従い、それをまとめあげることです」
ルール策定には慎重さが求められるのでは?
「1965年にサム・スニードがクロッケースタイルでパットをした時、運営側は、それがこれまでのスイングの仕方にそぐわないという理由で、確か1週間後にあのスタイルを禁止したか、ルールを改正したわけですが、当時は誰もその決定に驚きませんでした。しかし、40年後の現在、プロアマ問わずあの方法を実践している人の数を考えると、(ルール改定が)及ぼす影響は大きいと言えます。ですから、これは全く別種の問題と考えておりますし、心中も複雑です。とても難しい状況であると言わねばならないでしょう」
2016年を目標としている新ルール施行が前倒しされる可能性は?
「ルール改正に対する疑問が取り除かれれば、後はルールを変更するまでです。詳細を詰める必要はありますがね。タイミングは議論次第です。この競技をお見せしている側として、私は個人的に、必要とされている以上、このまま放っておくのは混乱を生むだけだと思いますので、早く物事を進めるべきだと思います。まだ施行日になっていないからと言って、テレビやギャラリーの前のプレイヤーが禁止された方法でプレーをするのは如何なものでしょう。そこに混乱を招く本質があるのです。一方、あのやり方で育ったプレイヤーがいて、そこに生活が掛かっているとなれば、施行まで時間が欲しいと思う気持ちもあることでしょう。どちらにしろ、非難の対象となり得ますので、これは慎重に考慮されなければなりません」
アンカーストロークが選手にとって有利に働くのを立証するデータはありますか?
「実質的に、PGAツアーに参加する全てのプレイヤーが、一度はアンカーリングに時間を費やしています。選手によっては、アンカーリングによりストロークが改善するため、この方法を取り入れ、練習しています。パッティング全体の中の技術の一つに過ぎないと彼らは言うでしょう。ゴルフには二種類のゲームがあります。フルスウィングとパッティングです。そしてアンカーリングはパッティングの技術の一つです。アンカーリングの習得には、時間と、熱意と、努力が必要とされ、長い時間をかけて技術が磨かれていきます。しかし、だからと言って、アンカーリングを用いている選手がそうでない選手に対してアドバンテージを握っているわけではありません」
訴訟になる可能性は?
「これまで、選手やメーカー側からそういった話は聞いておりませんし、その種のことは気にかけないようにしています。世の中に訴訟は行き交っていますから、来れば取り合わなければなりませんし、苦痛と出費を伴いますが、現時点では何ともいえないですね。まだ、そういう段階まできていないのだと思いますので、今後、状況は変わるかもしれません」