トーレパインズGCに残るタイガーの記憶
5年経っても、タイガー・ウッズの前回メジャータイトルの記憶はまだ鮮明だ。
まず初めに、シーズンを途中で終えてしまう原因となった、致命的な足の故障について。「二度とあのような経験はしたくない」。2008年に全米オープンで優勝した会場であるトーレパインズGCに戻った火曜日、タイガー・ウッズは語った。
「5日間をどうやって過ごしたのか、どう切り抜けたのかを本当に覚えていないんだ」。この大会、スタートホールは4日間のうち3日がダブルボギー、残り1日はボギー。毎日タイガーを窮地に追い込み、自虐的に「美しい」と振り返った散々なスタートについてはどうだろうか?
同時に、きちんと優勝争いに戻るための道筋もあった。言うまでもなく、タイガーが4日目最終ホールの72ホール目に決めた12フィートのパットで、ロッコ・ミーディエートとのプレイオフに勝負は持ち越され、当時世界ランク1位だった彼は勝利を得たのだった。
ウッズは100万ワット級の笑顔を輝かせながら、「土曜日午後のバックナインは、クールだったね。あそこで調子が上がってきたんだ」と語った。「そして18番でのパットは、まさにもう一生忘れられないものだ」。
ウッズは、「ファーマーズ・インシュランスオープン」で6回優勝しており、会場であるトーレパインズGCにはたくさんの思い出がある。12回の出場のうち10位より下でホールアウトしたのは、2011年大会の1回だけ、そして5位より下だったのは2回だけだ。
ウッズが今週行われる大会に出場するのは、あの全米オープンで優勝して以来2度目のこと。先週はアブダビでプレーしたのだが、2日目の5番ホールでルール違反となるドロップを犯してしまい、2打のペナルティーを科せられて予選落ちしている。
火曜日に南コースを練習ラウンドしていた彼が、昔の思い出にひたることはなかった。コースがかつてプレーしたときと比べて、どれだけ固いか、速いか、乾いているかを、彼は確かめようとしていた。
「コースの感触をただ確かめたかったんだ。どのクラブで打つべきか、ラインがどのようになるのか、今週はサンタアナ風が吹くのか、それとも海風が入らないのかを感じたかったんだ。この季節、このゴルフコースがどんな感じなるのかを把握したかったんだ」。
ウッズのトロフィーコレクションに、さらにもうひとつのトロフィーが加わることを祈りたい。