ミスの幅と回数 松山英樹はフィールド最多バーディも2アンダー
◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(16日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075yd(パー71)
ペブルビーチの風は最後まで冷たかった。松山英樹は6バーディを決めながら、2ボギー1トリプルボギーをたたき、週末に2日続けて「70」。通算2アンダーの21位タイで7回目の「全米オープン」を終えた。次のメジャーは7月の今季最終戦「全英オープン」(北アイルランド・ロイヤルポートラッシュGC)。「ミスを減らす」ことを一番の課題に挙げた。
4日間で奪ったバーディ数19は、エリック・ファンローエン(南アフリカ)と並んで出場156人のうちトップタイだった。1イーグルを加えると、バーディ以下のホール数20で単独1位。それが通算2アンダーという結果だったからやりきれない。「ボギーも、ダブルボギーも、トリプルボギーも打っていたら、バーディを打っている感じはないですよね」と、悔しさをかみ殺した。
バーディを先行させた直後の6番(パー5)でトラブルが起こった。1Wショットを右サイドの海に落とし、ドロップ後の3打目も3Wでグリーン右の崖下にこぼしてさらに1罰打を加えた。「風は右から、3Wで打ち上げを打たなきゃいけない。ピンも左で、左サイドからは(アプローチが)寄りにくい…。いろいろ考えていたら、3打目はミスになった。やることを決めてからアドレスに入ればいいものを、構えてからも少し考えたりしていた」。5オンのあと、3mから3パットを喫してトリプルボギーをたたいた。
15番以降の終盤4ホールで鮮やかに3バーディを奪う力があるからこそ口惜しい。「波に乗れそうなところで、自分のイヤなショットを打たなきゃいけないシチュエーションが多かった。精神的にも全然ダメでしたし、打てる技術もなかった」。海岸線沿いのフェアウェイは激しく傾斜がついたホールが多く、要所でショットに苦労した。
望んだ結果ではなかったが、「悪くなりかけたものが、ちょっとしたきっかけでポンッとよくなって来たりしている」と手ごたえもある。課題としてきたパッティングも試行錯誤を重ね、平均パット1.53は全体で19位だった。1Wショットの精度向上も感じながら「マスターズのときよりはだいぶ良くなってきた。ミスの(曲がり)幅は狭まってきたので、その回数をどれだけ減らせるかだと思います」と前を向いた。
2017年に世界ランク2位まで上ったが、同年8月の「WGCブリヂストン招待」でのツアー5勝目を最後に優勝から遠ざかっている。ただし、「成績で言えば(当時は)良かったけれど、自分としては今の感覚の方が良い」というのが本音だ。1週のオフを挟み、27日(木)開幕の「ロケットモーゲージ・クラシック」(ミシガン州デトロイトGC)、「3Mオープン」(ミネソタ州TPCツインシティーズ)と米ツアー2連戦に臨む予定。上り坂を歩んでいく。(カリフォルニア州ペブルビーチ/桂川洋一)