最終組で直接対決 ウッドランドとローズの関係性
◇メジャー第3戦◇全米オープン 3日目(15日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075yd(パー71)
9年ぶりのペブルビーチGLでの「全米オープン」は、メジャー初優勝を目指すゲーリー・ウッドランドと、2013年の同大会以来の2勝目がかかるジャスティン・ローズ(イングランド)が1打差で最終日最終組に収まった。
ウッドランドがムービングデーに単独首位をキープする要因になったのが、バックナインでのショートゲームだった。11番でこの日最後になった3つ目のバーディを奪った直後、12番(パー3)でグリーンエッジからウェッジでチップインパーを拾った。「きょう一番のショットだった」と納得。1Wショットで足を滑らせた14番(パー5)では12mのパーパットを沈めてボギーを1つ(8番)に抑え、「69」で回った。
2018年「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」までに米ツアー3勝を飾っている。メジャータイトル獲得の最大の好機は昨年8月の「全米プロ」。2日目を終えて首位に立っていたが、週末に逆転負けを喫した。タイトルをかっさらっていったのは、今を時めくブルックス・ケプカだった。
1年経たずして再び訪れたチャンス。決勝ラウンドで2日続けて2サムでマッチアップするのは、3つ年上の兄貴分だ。ふたりの関係性は10年以上にわたる。ウッドランドがまだレギュラーツアーのシードを持っていなかった2008年、最終予選会の前にフロリダ州のレイクノナG&CCで練習に励んでいたときのこと。歩み寄ってきたのは同クラブのメンバーだったローズ。自己紹介され、アドバイスをもらったという。
「あの頃のQスクールは6日間(108ホール)の競技で、『9ホールごとにアンダーパーを出すことを目標にするんだ』と教えてくれた。『ビッグネームも何人かいるだろうけど、キミは自分のやり方でそこにたどり着いたことを理解しよう』とも」。自信を植え付けられて臨んだ予選会を見事に通過。その後、当地に自宅を持ち、今では代理人も同じという間柄だ。「きょうは本当に楽しかった。あしたもきっと楽しいはず」
最高難度の「全米オープン」の会場がペブルビーチであることが“プラス”だという。「とにかく美しいから、リラックスできるんだ」。美しい風景と気心知れた先輩の前で、ゴールテープを切れるか。(カリフォルニア州ペブルビーチ/桂川洋一)