タイガー・ウッズ 東京五輪に出場意欲「出たい?答えはイエスだ」
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇ベスページ州立公園ブラックコース(ニューヨーク州)◇7459yd(パー70)
13年ぶりのメジャー2連勝を狙うタイガー・ウッズが開幕2日前にコースで記者会見し、5週間ぶりの試合に向けて「準備はできている」と余裕をのぞかせた。
2002年の「全米オープン」を制したコースで、4月の「マスターズ」以来の実戦になる。前週に会場入りして芝の状態などを確認。この日は練習場での調整で終えたが、13日(月)は9ホールの練習ラウンドを実施した。17年前よりも総距離は245yd伸び、現在は500ydを超えるパー4が3つある。「以前は500yd超のミドルホールはなかった。コースの距離がかなり伸びている。ラフも厄介、ドライバー(ショット)が最大のカギだ」と警戒心を強めた。
自身の前戦となった4月「マスターズ」で11年ぶりのメジャー優勝。4度の腰の手術や不倫問題、交通事故による逮捕といったトラブルを経ての復活劇は、ゴルフ界でアーノルド・パーマーやジャック・ニクラスらと並び史上4人目となる「大統領自由勲章」を受章する栄誉になった。ウッズは「すばらしく名誉なことだ。メジャーでまた勝てるようになったことが、何よりうれしいんだ」と実感を口にした。
4週間は試合に出場せず、休養や調整に充てた。2週前の「ウェルズファーゴ選手権」には昨年大会に続き今年も出場が期待されていた。「本当は出たいと思っていた。トレーニングでは良い感じだったが、試合に向けた準備という意味では不足していると感じたんだ」と説明。今季はツアー日程が大幅に変更となり、「休むタイミングも重要だ。かなり良い状態にはなっている」と調整に手応えを示した。
世界ランキングは現在6位。2020年東京五輪に関する質問が及ぶと「オリンピックでプレーしたいか? 答えはイエスだ」ときっぱりと言った。ゴルフは、ウッズが低迷期だった14年リオ五輪で112年ぶりに五輪競技に復活した。一つの国・地域から最大4人で世界ランクに基づいた五輪ランキングで資格が決まる。米国選手で同ランク4番手のウッズは「43歳ということを考えると、これから先(五輪で)多くのチャンスはない。代表チームになれるなら、それは歓迎すべきことだ」と初出場に意欲を見せた。
ツアー通算81勝は、故サム・スニードの歴代最多勝利記録にあと1勝と迫る。70年前、最後の5月開催だった「全米プロゴルフ選手権」(当時はマッチプレー)を制したのは、同年に「マスターズ」を制覇したサム・スニードだった。ウッズが同じ足跡を踏み、新たな伝説をつくり出す。(ニューヨーク州ファミングデール/林洋平)