2019年 ウェルズファーゴ選手権

2度の下部降格「本当はロリーを見たかったんでしょ?」世界417位から下剋上

2019/05/06 15:29
マックス・ホマはウィニングパットを決めてこの笑顔(Jared C. Tilton/Getty Images)

◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 最終日(5日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7554yd(パー71)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)、リッキー・ファウラージャスティン・ローズ(イングランド)にセルヒオ・ガルシア(スペイン)。下から追ってくるPGAツアーきっての人気選手たちを突き放し、ツアー初優勝を挙げたのは大会前時点で世界ランキング417位の伏兵マックス・ホマだった。

首位タイから出て5バーディ、1ボギーの「67」。通算15アンダーとし、2位に3打差をつけた。最終18番で3mのウィニングパットを沈めると、両手の拳を握って叫んだ。28歳は「ここにたどり着くまで時間を要した。周りには活躍する選手がいた。やっとここに来ることができた」

下部ウェブドットコムツアーで初優勝したのは2014年だ。翌15年、PGAツアーに昇格した。“同期”はメジャー1勝、ツアー通算9勝のジャスティン・トーマス。「彼はすごいスピードで、僕に差をつけていったよね」と苦笑いした。

16年に降格した下部ツアーで再び優勝し、17年にPGAツアーへと戻った。「ウェブドットに行ったりPGAに戻ったり。特にここ2年はきつかったよ」。またまた下部ツアーに降格したのは18年。入れ替え戦を経て、今季のPGAツアーに3度目の昇格を果たした。

「いま思えば最も大切だったのは諦めなかったことだ。なぜか報われると信じていたんだ」

雨を伴う雷雲により順延を挟んだ最終日。芝が濡れた18番グリーンの上空には虹がかかった。優勝スピーチでは、観客に向け「みんな、こんな天気なのに、残ってくれてありがとう。本当はロリー(マキロイ)の優勝を見たかったんだよね」と笑いを誘った。21年シーズンまでのPGAツアーのシード権を手にして「正直恥ずかしい思いはたくさんした。でもやっぱり報われたよ」。満面の笑みで、下剋上を完結させた。(ノースカロライナ州シャーロット/林洋平)

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