通算成績は“五分” 松山英樹のマッチプレーの戦い方
◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ マッチプレー 事前情報(26日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71)
普段のストロークプレーとは異なるフォーマットに対して、松山英樹は今年も冷静だ。4月の「マスターズ」を2週後に控えて迎えるマッチプレー戦。今年も「フツウに。自分のゴルフがどこまでできるか」と意識を特別にすることなく、開幕前の準備を整えた。
「ザ・プレーヤーズ選手権」を8位で終え、前週のオープンウィークはフロリダの拠点に滞在した。「休みも取って練習をしたが、なかなかその(良い)感覚が持続できないというか…。そこまで悪くなってないんですけど、“ぴったりハマりそうな雰囲気”がないというのが正しい」と慎重な姿勢で調整。25日(月)は航空機の出発が遅れた影響で夕方にテキサス入りし、26日(火)に18ホールのコースチェックを行った。
6年連続の出場となる大会のマッチ通算成績は7勝7敗1分けの勝率50%とあって、得意不得意の判断は微妙なところ…。4人1組が総当たりでぶつかるグループステージが採用された2015年以降、決勝トーナメントに進出したのはカリフォルニアで行われた同年だけ。会場が現在のテキサスに移った16年以降はまだ週末に残れていない。
今年も相手にとって不足はない。グループステージで世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンと同じ組に入った。2年前の大会王者でもあるトップ選手と3マッチ目でぶつかる。ただし、「マッチプレーなんで、(ひとつ)ミスをしてもひとつ(1ホール)しか取られない。ダブルボギーもトリプルボギーも関係ないのでいいかな」と、内心で照準を合わせるのは2週後のメジャー。「マスターズで上に行くためには、プレッシャーがかかった場面がある。それができるチャンスが3日間ある」。マッチプレー特有の相手との駆け引きや心理戦は好まなくとも、勝敗が決まる緊張感に毎日包まれる形式でもある。「最終日の感じを味わいながらやりたい」と意気込んだ。
初日はブランデン・グレース(南アフリカ)、2日目にチェズ・リービーと対戦する。「(ジョンソンと)連勝同士で来ていたら、熱い戦いができるんじゃないですかね」と期待した。この日の上がり3ホール。突然練習ラウンドに混じってきたのはなんと、後ろの組でプレーしていた短パン姿のジョンソンだった。試合前のけん制か、それともエールの交換か…。「いや、そんなことはまったく話してない。『また金曜日ね』くらいです」
ツアーの優勝予想番付で6位に推されたジョンソンに対し、松山は34番目という下馬評だ。それを覆せば勢いづくのは間違いない。同時にオーガスタに向けた真剣ラウンドの機会が増えることにもなる。(テキサス州オースティン/桂川洋一)