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48歳フューリック、1分の即席レッスンでアームロックに開眼

ツアー26年目、48歳のジム・フューリックが地元ファンの声援を受けて「ザ・プレーヤース選手権」で健闘した。ベテランらしい粘りのゴルフを展開し、優勝したロリー・マキロイ(北アイルランド)とは1打差の単独2位。今シーズンは「フェデックスカップランク126-150位」の準シード枠での参戦だが、今回の単独2位で賞金135万ドル(1億5000万円)と、フェデックスカップポイント330点を獲得し、来シーズンのフルシード復帰を確実なものとした(昨年の125位は377点、フューリックは現在564点)。

好プレーを支えたのは「アームロックスタイル」のパッティングだ。これは、パターを左腕に固定してストロークする方法で、米ツアーではマット・クーチャースチュワート・シンクが長年採用して好成績を収めている。ここ数年ではブライソン・デシャンボーウェブ・シンプソンキーガン・ブラッドリーなどが同じパッティングスタイルで優勝し、最近はシャール・シュワルツェル(南アフリカ)やバッバ・ワトソンジェイソン・ダフナーなどメジャーチャンピオンまでが実践して、使用率が上がってきている。

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大会終了後の記者会見で、フューリックは新しいパッティングスタイルに変えるまでの経緯について言及した。

「過去5年間のパッティングデータを分析すると、まったくダメではないけれど、決して良いとは言えなかった。5フィート(約1.5メートル)以内は問題ない。向上しないといけなかったのは、8フィート(約2.4メートル)から20フィート(約6メートル)。“惜しい”という感じでもなかったし、昨年末の『RSMクラシック』でパットがひどく不調だったので、オフシーズンにアームロックの中尺をいろいろ試した。まずはパター選びから始めたけど、普通のパターを長くしたり、ロフトを増やしたりすると、(ソールの座りが悪く)フェースが左を向いてしまうなどしてダメだった」。

その時点ではアームロックスタイルを断念したが、大きな転機が訪れたのは3週間前の「ホンダクラシック」だったという。

「オデッセイのツアー担当に、長さや構え方などいろいろな質問をしてパターを作ってもらって少しはしっくりきたけれど、いきなり試合で使うレベルではなかった。するとその時、(アームロック実践者の)ウェブ・シンプソンがたまたまパッティンググリーンに来た。指導してくれないかと相談するとたった1分間で2つの注意点を教えてくれた。ひとつはパターの打ち方と、もう一つは左手の握り方。グリップの握り方は大きく分けると2種類あって、デシャンボーやシンクの握り方と、クーチャーとシンプソンの握り方は異なると教えてくれた」。

フューリックによると、デシャンボーやシンクの握り方は中指の延長線上、手のひらの生命線の下端にグリップを当てて、手首を固定する方法だという。だが、この方法は強く握らないと左手首が外れやすく、しっくりこなかった。一方でシンプソン/クーチャーの握り方は、手を開いた時の左手親指と同じ方向にグリップを置き、手首を小指側に少し下げて手首の内側にグリップエンドが当たるようにする。すると、左腕とパターの一体感が生まれた。右手は人差し指と中指をグリップに添えるだけだ。

「個人的には、ブライソン式の握りはあわなかったけど、シンプソン/クーチャーはできると感じた。少し練習してみると、驚くほど心地良く打てるようになった。シンプソンは左腕だけのストロークでも上手くパッティングできる。10メートル以上のロングパットのタッチも左手一本で合わせることができ、見ていてとても参考になった。これだったら行けると確信し、ホンダでいきなり投入して9位に食い込むことができた」。

フューリックが使用しているパターは「オデッセイ アームロック V-Line パター」。市販はロフト7度で、40インチと42インチの2種類だが、フューリックは43.5インチでロフト8.2度のものを使っている(アームロック専用パターは、ハンドファーストに構えるため多くのロフトが必要となる)。

2カ月後には49歳になるフューリック。「もちろん、これからも健康を維持してPGAツアーで優勝争いに絡めるように頑張りたい。だけど、それができなくなり、50歳になっていたら、多くの友人がいる場所で争うのも楽しそうだね」という。TPCソーグラスの2ラウンド目に記録したボギー無しのラウンドは、キャリア通算215回目。他のツアープロたちも、この数字は凄いとSNS上でつぶやいていた。パッティングのヒントを得たツアー屈指の曲がらない運び屋職人。チャンピオンズツアーを主戦場にするのは、まだまだ遠い先のことになりそうだ。(フロリダ州ジャクソンビル/アンディー和田=ゴルフ解説者)

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