2019年 ファーマーズインシュランスオープン

松山英樹2季ぶりのトップ3 次週タイトル奪還へ弾み

2019/01/28 09:58
松山英樹は調子を上げて3位でフィニッシュ。次週は歴代王者のひとりとして出場する

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 最終日(27日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7698yd、パー72)、ノースコース(7258yd、パー72)

池越えの2オンを狙う決断に最終18番(パー5)のロープサイドが色めきだった。数秒後、ショットがグリーンをとらえると、ざわめきは途端に大歓声に―――。松山英樹のたくましさが戻ってきた。6位タイから6バーディ、1ボギーの「67」で回り、通算16アンダー3位タイでフィニッシュ。今季4試合目、2019年2戦目で初のトップ10入りを決め、タイトル奪還がかかる次週「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」へ弾みをつけた。

7打差をつけられていた首位ジャスティン・ローズ(イングランド)のつまずきで、序盤に戦況は混とんとした。松山は4番で1m以内のパーパットを外すなどグリーン上でミスがあったが、折り返しの9番(パー5)で右サイドのフェアウェイバンカーから3Wで2オンに成功し、この日3つ目のバーディ。前日3回だったフェアウェイキープが8回に向上し、「ティショットがきのうよりは良かったので、フェアウェイから打てる分チャンスも多かった」と得意のアイアンショットを活かせる展開を作った。

バックナインにかけてローズが息を吹き返し「頑張って2位に入れればなと思っていた。15番が終わって4打差くらいあったので『4連続バーディを獲っても厳しいな…』と思いながらやっていた」という。2位以下も混戦となる中、11番(パー3)では4Iでピン左1mをとらえ、15番は7Iで再び1m強のチャンスを演出した。

クライマックスは最終ホール。右サイドのフェアウェイバンカーから残りは230ydあった。ピンの手前に構える池の手前へのレイアップと迷い、選んだのは積極策。「ライも良かったんで。レイアップの方がラクでしたけど。行ける距離だった。行ってみて失敗したら頑張ってパーを獲ろうと」。今週投入したばかりで、4日間使い続けたピン社のニューモデル「G410ハイブリッド」で6mのイーグルチャンスを作り、2パットバーディで締めくくった。

松山英樹は2019年の序盤でトップ3フィニッシュを決めた

ゼロ勝に終わった2018年を経て、オフは徹底的に「スイングを見つめ直した」という。依然として「スイングでなくゲームに集中?できていない。そういうレベルまでは行っていない」と説明したが、「その中でこういう風に良いプレーができた」と実感できた。ツアー屈指のロングコースでこの日、パーオンを逃したのは実に16番(パー3)の1ホールだけ。安定感に課題が残る1Wショットは全体9位の平均311.6yd(各ラウンド2ホールの計測ホール)を記録した。

トップ3に入ったのは、直近の優勝試合である2017年8月「WGCブリヂストン招待」以来となった。次週「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」は2016&17年大会で優勝、前年大会は左手の痛みで途中棄権した。2年ぶりの大会優勝へ「アイアンに関しては」手ごたえがある。「それ以外のティショットとショートゲームが不安要素だらけなので、残り3日間で調整したい」。課題を明確に、そして期待を大きくしてアリゾナへ向かう。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)

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