2018年 全英オープン

池田勇太のメンタルコントロール 「成田」に置いてきたモノ

2018/07/20 07:28
好位置で初日を終えた池田勇太

◇メジャー第3戦◇全英オープン 初日(19日)◇カーヌスティ(スコットランド)◇7402yd(パー71)

4年連続7回目の出場の池田勇太が出入りの激しい展開を、アンダーパーでまとめてみせた。5バーディ、4ボギーの「70」をマークし、首位のケビン・キズナーとは4打差の18位タイ。試合前から「メジャーとは考えず、日本の試合と同じように気楽な感じでやった」と気持ちを穏やかに保ち、上々の滑り出しを決めた。

風が心地よく流れていた午前8時過ぎ。リンクスがまだ穏やかだった時間帯に、池田はスコアを小刻みに上下させた。アイアンで2オンに成功した6番(パー5)のバーディで2アンダーにすると、直後の7番では第2打をグリーンの右に外してボギー。9番では1Wショットを左サイドのポットバンカーに突っ込み、さらに左のロープサイドへとレイアップを決めた2打目でも脱出に失敗した。

後退のピンチで光ったガマン。フェアウェイからの4打目をピンそば1.5mにつけてダブルボギーを回避。「ナイスボギーだったと思う。4打目とパットは完ぺき」と立て直し、アンダーパーフィニッシュにつなげた。

「後半にロング(14番パー5)でバーディを取れなかったこと、15番をボギーにしたのが残念だったけれど…でもそのくらい」。大嫌いな終盤の失速にも関わらず、珍しく飄々とした。メジャーでは昨年の「マスターズ」から5大会連続で予選落ちを喫している。技術だけでなく、メンタル面も見直した。「自分は『やってやろう!』と気合いが入りやすいタイプ。だからそれをあえて“成田(空港)に置いてきた”」

今大会は当地のメンバーをキャディに起用。転がりが一定でないグリーンに頭を抱えてきたが、「深く(ラインを)読み合っても仕方がない。シンプルに行こう」と声をかけた。過度な重圧を自分に加えることなく、リンクスの流儀に従うつもりだ。

「良いゴルフが久しぶりにできた。きょうはこれでおしまい。あしたはあしたと思ってやりたい」。コロコロ変わるのは空模様だけで十分。穏やかに決勝ラウンドを迎えたい。(スコットランド・カーヌスティ/桂川洋一)

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