「全英じゃないみたい」 4年連続出場の池田勇太は“悲劇”も歓迎?
◇メジャー第3戦◇全英オープン 事前情報(17日)◇カーヌスティ(スコットランド)◇7402yd(パー71)
ベルベット風の黒いパンツを着込んだ池田勇太は思わず言った。「全英じゃないみたい。暖かいし。半袖で良いのが信じられない」。4年連続となったリンクスでの戦いを前に、防寒対策はバッチリしてきたつもりだったが、スコットランドはここ最近、連日のように晴れ間が広がっている。
開幕2日前の17日(火)までに36ホールの事前ラウンドを行った。フェアウェイは干上がり、ボールを転がすと「グリーンに乗るまでが速くて、乗ると止まっちゃう」というほど。7回目の出場でカーヌスティは初体験。「このコースはフェアウェイが狭いと感じるホールが多い。あまり全英でそう感じることはないけれど。距離(7402yd)の割には、ティショットを刻むホールが多い」と、これまでの経験とのギャップを感じている。
キャディには当地の男性メンバーを起用し、生きたアドバイスを得るつもり。「セカンドショットがフェアウェイから打てればそんなに問題ない」と分析する。警戒するのはパッティング。「グリーンが難しい。ラインもよく分からないし、転がりも“へんてこりん”。(試合を左右するのは)運があるのかなと思うけど…ストレスなく、パッティングができるかが、スコアに表れそう」と受け入れるように話した。
現段階で8月のメジャー最終戦「全米プロ選手権」の出場の可能性も高い。今年も夏場のビッグイベントが続きそうだが、まずは目の前の試合を、ホールをこなしていくだけ。当地では1999年大会の最終日に起こった“カーヌスティの悲劇”があまりに有名。フランスのジャン・バンデベルデが3打のリードを持って迎えた18番でトリプルボギーをたたき、その後に突入したプレーオフで敗れた。
「それは知ってるけど…まずはそこまでいかないとね。悲劇にもあえないよ。そのポジションまでいかないと」。大きな失望も、メジャータイトルを争った人間でしか味わえない。(スコットランド・カーヌスティ/桂川洋一)