またも予選通過圏外でスタート 松山英樹「4日間やりたい」
◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン 初日(17日)◇トリニティフォレストGC(テキサス州)◇7380yd(パー71)
切実な思いがこぼれ落ちた。大会初出場の松山英樹は2バーディ、3ボギーの「72」で回り、1オーバーの120位タイと出遅れた。全選手が初体験となるコースでグリーンを攻略できず、チャンスを逃して天を仰ぐ展開。「良いプレーをしないとまた(予選で)落ちる。4日間やりたい」と噛み締めた。
上位陣が続々とアンダーパーを記録する中、松山は思わぬ形でボギーを先行させた。前半14番(パー5)、1Wでフェアウェイをとらえながら、2オンを狙った4Iでのショットがグリーン右奥のペナルティゾーンに飛び込んだ。ドロップ後の4打目もグリーンに乗らず5オン1パット。「マネジメントをしっかりすればボギーにはならなかった。バーディも獲れたんじゃないかと思います」と肩を落とした。
続く15番で第2打をピンそば1mにつけてすぐにバーディを奪い返し、後半も2番(パー3)のボギーの直後に3番で4mのバーディパットを沈めて2度目のバウンスバック。そこで勢いに乗れないのが最近の流れだ。1Wショットをフェアウェイバンカーに入れた7番(パー5)。5Iでの第2打がバンカーのアゴに当たって左サイドのバンカーへ。3打目でも届かず、この日3つ目のボギー。3つのパー5での合計スコアが2オーバーでは、好発進は難しかった。
4月の「マスターズ」以来の出場となった2週前の「ウェルズファーゴ選手権」ではMDF(最終ラウンドの出場人数制限)で3日目に姿を消した。前週の「ザ・プレーヤーズ選手権」は初日に「79」をたたいて今季初の予選落ち。いずれも初日を決勝進出圏外で終えている。
「進歩がないです」と松山はこぼす。ショットは「良くなりそうな雰囲気が出てきている。(スイングの)形も良くなっている」と感じる一方で、グリーン上でフィニッシュが決まらない。この日のパットのストロークミスは「1回だけ」としながら、「全然傾斜が読めていない。切れる方向は分かっているけれど、その“量”が全然合っていない」。最終9番で4mのバーディチャンスをカップ右に外すと、腰を折って悔しがった。
今週に入って当地で一緒に練習ラウンドを行ってきた小平智とは、2016年の「日本オープン」以来の同組ラウンド。多くのティグラウンドで待機する時間があり、笑顔が行きかう場面もあったが、「(小平のプレーを)あまり見ることができなかった。見るほど余裕がなかったですね…」と松山。2日目は日中の気温36℃以上、初日よりも強い風が吹くという予報の午後のプレー。試練のラウンドだ。(テキサス州ダラス/桂川洋一)