米ゴルフ放送局のストライキ問題 ツアー中継は今後どうなる?
2018/01/16 10:30
米国男子ツアーを中継するゴルフチャンネルの映像スタッフらが、労働環境改善の交渉が長引いていることを理由に「ソニーオープンinハワイ」最終日(14日)にストライキを起こした。大会は同社が放映権を握っており、最終ラウンドを前に各国の映像スタッフに混乱が生じた。
ゴルフチャンネルと同社の映像スタッフらで作られた労働組合は約9カ月交渉を続けたが、結論は出ず、組合側が強行策に打って出た。日本での米男子ツアー放映権を持つNHKやゴルフネットワークは前日夜に騒動を知らされた。
NHKやゴルフネットワークを含む各国メディアは、ゴルフチャンネルが撮影した映像の供給を受けて大会の放送を行っているが、ゴルフチャンネルは急きょ、組合に属さないカメラクルーを会場に入れて最終ラウンドの撮影を進めた。
PGAツアーの関係者は「このような事態になることは知らなかった。ゴルフチャンネル内部の問題なので対応策はPGA側にはない。ただ、まだ交渉は続いていると聞いているので、このままいくと来週以降もストライキといった事態になりかねない」と危惧する。一方、次週「キャリアビルダーチャレンジ」(18日~/カリフォルニア州)以降は米国本土での開催が続き、組合に属さないゴルフ撮影経験者が多くいると見ている。
今回の騒動を受けてゴルフチャンネルは「9カ月の交渉を続けてきたが結論は出ていない。相互にとって最適な契約を結べるように努めていく。緊急事態に備える対策もあるので、今後も放送を続けていく」との声明を出した。(ハワイ州ホノルル/林洋平)