67位・松山英樹の心の声「なんで曲がるんやろう」
◇世界ゴルフ選手権◇WGC HSBCチャンピオンズ 初日(26日)◇シェシャンインターナショナルGC(中国)◇7266yd(パー72)◇
前年覇者がまさかの出遅れを喫した。世界ランク1位のダスティン・ジョンソン、ジョン・ラーム(スペイン)との最注目組で出た松山英樹は、3バーディ、2ボギー1トリプルボギーの2オーバー「74」。昨年は計4ラウンドで「68」がワーストだったが、「よいところはない。こういうスコアになっても仕方ない」と、今年は一転、苦しい立ち上がりとなった。
10番からスタートして、前半9ホールで奪ったバーディはわずかに1つ。18番(パー5)では、3mにイーグルチャンスにつけながら3パットのパーとして、ギャラリーの落胆を誘った。「最初から最後までパットはよくなかった」と、ストレスの溜まったグリーン上を振り返った。
折り返し後の3番では、左ラフからの2打目をグリーン左奧へ突っ込み、アンプレヤブルとして5オン2パットのトリプルボギー。球に泥がついていた2打目は想定外の飛び方をしたものの、「(UTでの)ティショットをそこに打っている時点でダメ」と、左右に荒れた自身のショットを責めた。
「根本的な問題が解決できていないので、こういうことになる。“なんで曲がるんやろう”みたいな感じでやっていた」という18ホール。ホールアウト後の練習場でもその取り組みは続けられた。
1Wは複数のヘッドを用意して、シャフトの挿し方やウェイトを変えて打ち比べた。アイアンもスペアセットを取り寄せた。何度もカチャカチャと微調整を繰り返す姿を隣で見ていたアレクサンダー・レビ(フランス)は、松山と目が合うと、「Good One(それいいよ!)」と、笑みを浮かべてウインクした。それでも、松山の手は止まらなかった。
試行錯誤が続いている。「ショットがちょっと思うようにいかないので、パットが入ってもたいしたスコアにはならないかな」と悲観的だが、1日でがらりと変わる姿を目撃してきたことも一度ではない。残りは3日。時間はまだ十分にある。(中国・上海/今岡涼太)