「あきらめられない」岩田寛は米ツアーから一時撤退
◇米国男子◇ウィンダム選手権 2日目(18日)◇セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)◇7127yd(パー70)
イーブンパーの102位から出た岩田寛は「74」とスコアを落とし、通算4オーバーとして予選落ちした。このレギュラーツアー最終戦で、フェデックスカップポイントの上乗せがなく、今季のポイントランキングは大会前の202位以下になることが決定。同126位から200位までの選手と、下部ツアー選手による入れ替え戦(ウェブドットコムツアーファイナルズ)に進出できず、来季のレギュラーツアー出場への道が事実上断たれた。
わずかな望みをかけた“最後”の戦いは、スタート直後にトーンダウンした。出だし1番で6mから3パットボギー。続く2番はアプローチを寄せきれず、2連続ボギーで後退した。バーディ合戦に加わることなく、後半にかけてもショット、パットの精度を欠いた。
2015年秋にツアー外メンバーとして入れ替え戦を突破し、参戦1年目の2015-16年シーズンでシードを確保できなかった。2年目の今季は限定的な出場権で10試合プレーしたが、予選通過は昨秋の「サンダーソンファームズ選手権」「ザ・RSMクラシック」の2試合に終わった。
プレーの内容に納得がいかないと、ふさぎこんで集中力を欠いてしまう“悪癖”。岩田はこの2年を「心が弱かったですね」と振り返る。「(心は)もともと強くないんですけど。きょうなんかは1番ホールで集中力がなくなってしまった。それがずっと続いています。そういうところから直していきたいんですけど、まあ、時間がかかりますね」
昨年2月の「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」ではフィル・ミケルソンらと優勝争いも演じたが、ショットが復調することはついになかった。「調子が悪いと(いつも)言っていましたけど、うまい人は調子が悪くても結果が出る。それも実力のうち。ただ僕に実力がないだけです」。2年間の締めくくりは潔かった。
次週の「RIZAP KBCオーガスタ」(福岡・芥屋ゴルフ倶楽部)で国内ツアーに本格復帰する。賞金ランクは58位で、まずは日本ツアーのシード獲得をキープしなければならない。岩田は帰り際、はっきりと言った。「谷さん(谷原秀人)が…2歳上で、まだ世界でやっているのは、すごい刺激になるっていうか…。まだまだ、(自分も)あきらめられない。悔いさしかないんで、あきらめられないです」
ここはキャリアの終わりでも、世界への挑戦の終わりでもない。(ノースカロライナ州グリーンズボロ/桂川洋一)