2017年 ウィンダム選手権

メジャー王者も苦戦 厳しいPGAツアーの世界

2017/08/17 07:28
前年の「全英オープン」覇者・ステンソンも安穏とできない米ツアーだ

◇米国男子◇ウィンダム選手権 事前情報(16日)◇セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)◇7127yd(パー70)

「ウィンダム選手権」はシーズンのレギュラーツアー最終戦。大会終了後のフェデックスカップポイントランキングで上位125位が次週「ザ・ノーザントラスト」からの全4試合、ノックダウン方式のプレーオフシリーズに進む一方で、126位から200位の選手は2週後の「ネーションワイド・チルドレンズ・ホスピタル選手権」で始まる、下部ツアー選手との入れ替え戦4試合で来季の出場権を争う。そして、201位以下の選手の出場優先順位は限りなく低いものになる。

ポイントレースを引っ張るのが今季3勝を挙げている松山英樹だ。堂々ポイントランキング1位でのプレーオフシリーズ進出が決定。今週のフィールド最上位、ランク9位のケビン・キズナーが優勝して500ptを獲得しても、松山とは700pt以上の差がある。

松山の年間王者、1000万ドル(約11億円)のボーナス獲得への期待が膨らむ一方で、低迷する近年のメジャー制覇たちがいる。前年の年間王者ロリー・マキロイ(北アイルランド)は現在41位で、30人が出場の最終戦進出にはプレーオフでの奮起が必要。ジェイソン・デイ(オーストラリア)は47位、アダム・スコット(オーストラリア)も62位にいる。

ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)は75位で「プレーオフに良い順位で入りたい」と今週の出場を決めた。100位にはちょうど1年前に「全米プロゴルフ選手権」を制したジミー・ウォーカー。111位にはバッバ・ワトソンの名前がある。

2010年の「全米オープン」覇者グレーム・マクドウェル(北アイルランド)は131位でポイントランクでの来季の出場権確保へ向け、今週が勝負どころだ。

上位200位までの入れ替え戦出場が危うい選手には、さらに厳しい緊張感が襲い掛かる。2009年「全米プロゴルフ選手権」でタイガー・ウッズを破ってアジア勢初のメジャー制覇を遂げたY.E.ヤン(韓国)は、今大会に月曜予選会(マンデートーナメント)を通過してフィールドに滑り込んだ。ランキングは217位。PGAツアーではメジャーチャンピオンですら、栄光にしがみついてばかりはいられない現実。厳しいサバイバルレースが繰り広げられている。(ノースカロライナ州グリーンズボロ/桂川洋一)

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