2017年 全米プロゴルフ選手権

「結果を出すことしかない」池田勇太は現地ハウスキャディを起用

2017/08/09 12:33
池田勇太は練習ラウンドを終えた後、鉢合わせた松山英樹と握手。WGC優勝を祝福した

◇海外メジャー◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(8日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7600yd(パー71)

4人の日本勢が出場する今季のメジャー最終戦を控え、開幕2日前までに誰よりも練習ラウンドをこなしているのが池田勇太だ。前週5日(土)に渡米し、6日(日)から2日連続で18ホールをプレー。「天気が悪いから、いつ回れなくなるか分からない」と毎朝準備を整え、開幕2日前の8日(火)にもアウト9ホールを回った。

今週、池田のバッグを担いでいるのは会場クエイルホロークラブの男性ハウスキャディだ。初めて経験するコースは芝目の強いバミューダ芝に覆われ、グリーン上でのライン読みに苦労するとみている。「グリーンを熟知している彼を信頼して、自分は他のところで力を使う」というのが作戦だ。

米ツアーにスポット参戦してきた今季だが、ここまでメジャー3大会で予選落ち。「WGCも、メジャーも出させてもらったけれど、ひとつも納得いく成績を出せていない」。5月「ザ・プレーヤーズ選手権」の22位が最高位。「結果を出すこと、僕には今それしかない。ゴルフの内容は決して悪くないが、結果が伴わない。誰しも、見るのは結果だから」とふがいない数字を受け止めている。「パッティングも自分が思ったところに打てても、入らなければ仕方ないんだ」―――

メジャー会場のツアーバンで自らクラブを調整する池田勇太

トレーナーと2人で乗り込んできた今回の身軽な遠征。使い込んだクラブ調整もコース内に設置されたメーカーのバンのドアをくぐり、自ら依頼のために出向く。この日は5Wのグリップを米国にしかないモデルを見つけて交換。自らテープを外してクラフトマンと相談し、練習場でテストすると、さらに気に入った様子で3Wのグリップも同じモデルに替えた。

2日前、松山英樹が優勝した「WGCブリヂストン招待」開催時は、すでにクエイルホローで練習ラウンド中。スマートフォンで速報をチェックしていたという。「2番でイーグルを獲って、これは行けるんじゃないかと思って見ていたよ」

「もう、(松山は)5勝だもんね…。すごいね、本当に…。いや、もう本当に」。池田はそう言って視線を上げた。「オレも優勝争いだけでも経験したい。ちょっとでも上で争いたい…。それしかないですね、いまは」。今大会終了後は今季残りの日本ツアーが待っている。悔いを残して帰りたくはない。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)

2017年 全米プロゴルフ選手権