惜敗のマット・クーチャーを待っていた“涙のサプライズ”
2017/07/24 10:03
◇海外メジャー◇全英オープン 最終日(23日)◇ロイヤルバークデールGC(イングランド)◇7156yd(パー70)
いつも笑顔のマット・クーチャーが、うっすらと目に涙を溜めていた。「打ちのめされたし、心が痛い。ここに来るには大変な努力が必要だし、そんなに多くのチャンスがあるわけじゃない。残り5ホールまで来ていたし、受け入れるのは簡単じゃない」。
初メジャータイトルへ、残り5ホールで1打リードとなったクーチャー。自身も2バーディ(1ボギー)とスコアを伸ばしたが、ジョーダン・スピースが1イーグル3バーディと怒濤のプレーを見せて3打差の2位に終わった。
スピースがトラブルに陥った13番。クーチャーはその場で20分以上待たされた。それでも、スピースが練習場からグリーン手前まで運ぶリカバリーショットを見せて戻ってくると、笑顔とグータッチで出迎えた。
スピースはいう。「彼は素晴らしい選手だし、素晴らしい人間だ。僕はクーチャーがメジャー大会を勝つと信じている。それも、近いうちにね」。
18番ホールを終えたクーチャーの視界に飛び込んで来たのは、グリーンサイドで待つ妻シビーさんと2人の子供たちだった。長男のキャメロン君はポロポロと涙をこぼして、お父さんに抱き締められた。
「驚きだった。昨夜電話で話したときはコロラドにいたから、素敵なサプライズだった。涙のサプライズだったね。ゴルフは自己中心的なゲームだけど、彼女たちは僕がベストを尽くすための、素晴らしい支えになっている。とても、とても、嬉しかった」。
この日は涙に包まれたクーチャー一家。その悔し涙は、次戦に向けた大きな力となるに違いない。(英国サウスポート/今岡涼太)