宮里優作と池田勇太 “攻めと守り”の明暗
◇海外メジャー第2戦◇全米オープン 初日(15日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7845yd(パー72)
宮里優作と池田勇太はともにイーブンパーの45位発進。それぞれの18ホールは真逆のような流れだったが、読み解くポイントはコースに対する“攻めと守り”だろう。
宮里は、出だしの1番(パー5)で3パットのボギーとした後、2番でバーディ。続く3番をボギーとすると、4番はピンまで210ydの第2打を5Iでグリーン奧に切られたピンの真横につける自画自賛のスーパーショットでバーディとし、ボギー、バーディを2度繰り返した。
激しい出入りの序盤の後、「きょうは(下が)乾いて、セカンドの距離が昨日、一昨日よりも前に行っていた。(2打目を)8I、7Iで打てる距離になると、ちょっと行けそうな感じがする」と、9番、11番でもバーディを重ねて、一時は2アンダーまでスコアを伸ばした。
だが、「2つ貯金が出来て、安全に行き過ぎた部分がボギーになった」と反省する。14番(パー5)は、右奧に切られたピンを攻めきれず、グリーン左手前に載せたが、そこからピンまでは強烈な下り傾斜。「尾根越えだし、どうやっても止まらない」と3パットのボギーを余儀なくされた。1パット目に、同組のアーロン・レイ(イングランド)が3番ホールで見せたようにウェッジを使うことも考えたが、踏み切れなかったと頭を振った。
続く15番も、右手前のピンに対して左奧に載せての3パット。「ロケーション負けしたホールがあった。アイアンは逃げ気味なところはやられますね」というのが、この日の教訓だ。「ティショットはワイドだけど、セカンドがタイトになる」というコースのメリハリにもほんろうされた。
一方の池田は、前半を5ボギーでターンすると、切り替えざるを得なかった。「そこまで打ったからには、自分の中で変えましょうと。性格的に細かいことや、余計なことまで考えてしまうけど、第一印象を大事にしたり、大ざっぱに行くことにした」と決断した。
すると、10番、12番、13番とバーディパットがカップを鳴らす。17番ではファーストカットから「普段はやらないけど、いっそフライヤーを掛けてしまおう」と、番手を落として強振。残り204ydを9Iでピン手前7mに運んでこれを沈めると、最終18番も「そんなに細かく読まなかったら、すっと入ってくれた」と、9mのパットがカップに沈み、2連続バーディフィニッシュ。「最後2つはおみやげみたいなもの。イーブンまで戻せたのは神がかり的」と本人も目を丸くした。
ここ最近、ショットは良くても噛み合わないゴルフが続いていた。「きょうもうまくいかないと思ったけど…出来ました」と笑った池田。「僕の性格的には許されないけど、あすも同じような気持ちでやってみようと思う」と意欲を見せた。(ウィスコンシン州エリン/今岡涼太)