「メンタルコーチをお願いしたい!」松山英樹、宮里藍引退を語る
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 事前情報(5月31日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7392 yd(パー72)
米国ツアーを主戦場とし、日本男子として最高位の世界ランキング4位・松山英樹が31日、2010年に世界ランク1位に輝いた宮里藍の引退に関して取材に応じた。
「あそこまで行った人には、何も言えないですよね」。松山は慎重な言い方をしたが、宮里は長年、憧れの人として慕ってきた存在。過去の思い出や、自分に重ね合わせた思いについて言葉を尽くした。
―引退について聞いたのは?
去年くらいに噂はあったけど、本当に辞めるのかなって感じだった。最近、発表があって、やっぱり本当だ。噂は本当だったんだって思いました。
―聞いたときはどう思った?
あそこまで行った人には、何も言えないですよね。その人にしか分からない悩みがあるでしょうし、僕なんかがコメントするようなことはできないです。日本の女子ゴルフがいま人気あるのはあの人のおかげだと思うし、それをうまく下の子たちが見習って続いている。逆に日本の男子の人気がないので、いま(兄で選手会長の宮里)優作さんが筆頭にやっているし、何か力になれればと思います。
―初めて会ったのは?
2011年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子」のプロアマ戦。緊張して話せなかったですね。でも、サインは3つもらいました。帽子とボールと手袋に。家に飾ってあります。
―憧れるのはどういう部分?
スイングも一時期、リズムというか、ゆっくり振ってどうなるんだろうって試して良かったこともある。パッティングもすごくて、参考になる部分はないかなと思いながら見ていた。人としても、自分はこういう性格なんで(苦笑)、ちょっと見習って…。少しでも、その心を忘れずに頑張りたいと思います。
―引退理由はモチベーションの低下。そういう気持ちは理解できる?
それは、ありますよ。誰にだってあると思うけど、ただあそこまで行った人なので、それ以上に戻す力が必要なんだなって思った。もし自分がそういう風になったらどうなるのか。もう1回、戻せる気持ちがあるのかっていうのはその人にしか分からないことだと思うので、そこまで行ってみたいなと思う。
―松山選手も世界ランク3位や4位まで行っているが、似たような気持ちは感じる?
ないですね。僕はゴルフが好きだし、プライベートで回っていてもうまくいかないと腹が立つ。逆に、うまくいかないことが僕にとってはモチベーションなのかなと。うまくいかなくなって『もういいや』って思い始めたら、それが多分、モチベーションが上がらなくなるっていうことだと思う。
―引退して寂しくなる?
そうですね。でもそれは言っても仕方ない。記事で見たけれど、お父さんがメンタルコーチを勧めていたので、一番にお願いしようかなと(笑)。そうなると、パッティングコーチにもなっちゃうな。もう言っておきますね!
―言葉を掛けるとしたら?
やっぱり、何も言えないですよね。それだけ長く頑張っていた人に『お疲れさまでした』っていう感じも何かおかしい。選手が終わったっていうだけで、これからもゴルフ界に関わると思うし、どう表現したらいいのか分からないです。『ファンです』かな(笑)
(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)