“きょうイチ”の手応えが…石川遼は1Wのミスからパー4で「8」
◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン 初日(18日)◇TPCフォーシーズンズリゾート (テキサス州)◇7166yd(パー70)
それまでの我慢を1ホールでフイにしてしまう。石川遼は今シーズンの悪い流れをきょうも断ち切れなかった。イーブンパーで迎えた後半11番パー4で「8」の大たたきが響いて「75」。5オーバー122位タイと大きく出遅れた。
朝からの風は午後になっていっそう猛威をふるった。午後1時半にティグラウントに立った石川は、出だし1番で3パットボギーを喫したものの、5mの下りフックラインを読みきった6番から2連続バーディ。3番、8番と砲台型のグリーンに対してグリーンサイドからみごとなアプローチを見せるなど、前半9ホールの5つのパーはすべて1パットで拾った。
悲劇は、フェアウェイからグリーンまで左サイドに池が構える11番で起きた。左からの向かい風を受け、石川は1Wを強振したが、打球は縁までわずかに届かず水しぶきを上げた。「当たりも良く、あわよくば“きょうイチ”(この日一番良いショット)と言えるくらいだったが…アゲンストの状況で285ydキャリーしないといけないラインに飛んでしまった。あと5yd右だったら越えていた。打った瞬間にギリギリだと思ったが…」。今週はラフからでもグリーンを狙えるケースが多いと判断した、積極策が裏目に出た。
さらに、同じく1Wでの打ち直しの3打目は右の林へ。4打目は前方の木の枝をかすめて、手前バンカーのヘリに目玉となって張り付き、結局6オン2パットで「8」。クアドラプルボギーを悔やんだのは、「ボギーで抑えられる状況だった。ミスが続いてしまった」と、むしろ第3打以降のプレーに精彩を欠いたからだった。
直近5試合で予選落ちが4試合。苦しい12ラウンドのうち、ダブルボギー以上を記録したのは実に8ラウンドに上る。「あの1ホールさえなければ…」という日々だ。大きなスコアを誘発しているのは、やはりティショットの乱調によるところが多い。「左には打っちゃいけない、という時の1Wショットでの基礎ができていない」と戒めた。
いきなりカットラインを見上げる展開となったが、「ひとつひとつ学んでいかないといけない」と、「8」をたたいて消沈しかけた後のホールで必死にこらえたのも事実。10位に入った2013年大会は初日を98位で終えて、2日目以降に巻き返した。「バーディ先行でいければ、予選も分からないところ。トライしていきたい」。可能性を自ら捨てるわけにはいかない。(テキサス州アービング/桂川洋一)