池田勇太 第5のメジャーで“今季最高”の決勝進出
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 2日目(12日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)
池田勇太が初出場の“第5のメジャー”で決勝ラウンドに進出した。1オーバー66位タイから5バーディ、2ボギーの「69」をマーク。通算2アンダーとして23位タイで予選通過。バックナインで4つスコアを伸ばす猛チャージで急浮上した。
最終組のひとつ前でのプレーとなった池田のティオフは午後2時25分。TPCソーグラスの難しいアウトコースの前半で、池田は我慢を重ねた。「フロントナインはすごく苦しい展開。10番くらいまでは風が強かった」。リズムを好転させたのが、1つスコアを落として、カットラインの外で迎えた12番。4Iでのティショットを経て、3mを沈めてバーディを奪取。続く13番(パー3)は右からの風に対して、右奥のピンを攻めこみ、1.5mにつけて2連続とした。
10mの緩やかなスライスラインを流し込んだ15番から再び2連続バーディ。「16番(パー5)に入るまでに1アンダーにできたのが大きかった」と終盤に向けて最高の流れを作った。17番(パー3)は1.5mのチャンスを外し、18番はティショットを右の林に突っ込んだ後、なんとか3mのパーパットを沈めるフィニッシュに「みっともないパー。上がりがダサい」と苦笑いしたが、「最後まで流れを切らさなかったことで、あしたにつながる」と納得顔で振り返った。
「きのう課題にしていたアイアンのタテの距離感が多少良くなった」と、風と硬いグリーンを計算した判断力への手応えもある。予選落ちした4月の「マスターズ」を含め、ショットにキレを見せながら好結果を出せずにいた今シーズン。この第5のメジャーで記した23位での決勝進出は、今季出場の日本ツアーも合わせた計9試合で最高のポジションだ。
大会期間中にのべ19万人を飲み込むビッグイベント。「ホスピタリティも素晴らしいし、ギャラリーの数も多い。雰囲気は第5のメジャーと言われるだけある。楽しい!」と、初めて辿り着いた米ツアー主催の最高のゲームを存分に味わっている。ただ、それで終わらせる気はない。「初出場の気持ちはもう忘れて。せっかくこういう順位で週末を迎えられる。1打でも伸ばして、とにかく食い下がりたい」。優勝争いも十分可能な7打差。鼻息はいっそう荒くなる。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)