「力がない」石川遼はスーパープレー報われず3戦連続の予選落ち
◇米国男子◇RBCヘリテージ 2日目(14日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71)
「これが今の自分の力」。石川遼は無念さを表情に浮かべて、厳しい結果をかみしめた。1アンダーの53位タイからスタートした第2ラウンドで「76」と崩れ、通算4オーバーで3試合連続の予選落ちを喫した。
2つのスーパーショットも実らなかった。予選カットラインと対峙してのプレーとなった石川は前半に勢いづくはずだった。3番、第1打で左の茂みに突っ込み、ドロップ後の3打目で強烈なフックをかけてフェアウェイへ。ウェッジでの4打目のアプローチをカップに収め、チップインパーでピンチを切り抜けた。
5番(パー5)はピンまで残り280ydの第2打で1Wを強振。「230yd先のバンカーを越えれば、グリーンの近くまで行く。3Wよりもキャリーは出ないけれど、(1Wなら)転がってくれる」という狙い通りの弾道で、見事にグリーンオン。手前から6mのイーグルパットを沈めて、声援に応えた。
こんなビッグプレーがありながら、その後ペースを徐々に崩してしまうのが、最近の悪い流れ。この日もそうだった。8番、12番とバンカーからの3打目を寄せきれずに2ボギー。予選通過のためには2ストローク伸ばすことが必要になった14番(パー3)で、ティショットをグリーン右手間の池に落としてダブルボギーとし、意気消沈した。
3月「プエルトリコオープン」から出場3試合で決勝ラウンドに進めていない。これまで3度の出場で、すべて予選通過を果たしてきた大好きなハーバータウンGLでも、悪循環を断ち切れなかった。敗因を自身の技術に求める石川。「厳しいですね…。やっぱりミスの幅が大きい。他の選手の3倍も、4倍も曲がる感じ。ちょっとしたミスかなと思うのが、リカバリーをさせてもらえないコースも多い」と半ば放心状態で言葉を絞り出す。
ショットの安定性向上を最重要課題にして、昨年末にスイングの改良を志してから、以前のようにクラブを頻繁に替えたり、短い期間で練習法を大きく変えたりすることはなくなった。「やるべきことは変わらない」と信じて言い続けるだけに、試行錯誤が報われない日々がもどかしい。「自分の力がないんじゃないかと思います」と口を結ぶ。
次週はテキサス州サンアントニオで行われる「バレロテキサスオープン」に出場。今にも折れそうな心を引きずったまま、ただ進むしかない。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)