石川遼、米復帰ラウンドで3アンダー それでも浮かない表情
◇米国男子◇CIMBクラシック 初日(20日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇6951yd(パー72)◇ 2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」以来となる米ツアー復帰戦で、石川遼が6バーディ、3ボギーの「69」をマークした。「内容が良くなくて、混乱しています」とショットの不振に苦笑いしたが、3アンダーの16位タイと上々の滑り出しを見せた。
8カ月ぶりの主戦場でのラウンドで、隣を歩いたのはラファ・カブレラベロー(スペイン)とイアン・ポールター(イングランド)。欧州の名手と同組にも「自分としてはすんなり入れた。久しぶりのPGAツアーという感じは不思議としなかった」という。ほど良い緊張感を保ったまま、出だし10番(パー5)で5mを沈めてバーディを先行。14番では下りの4mを流し込み、2つ目を決めた。
中盤の大ピンチも、パッティングでしのいだ。左サイドに池が構える打ち下ろしの2番。3Wで放ったティショットは大きく右に曲がり、緑の茂みに飛び込んだ。アンプレヤブルを宣言し、ティグラウンドから打ち直した後、5mのボギーパットをねじ込んだ。「ふたつ落とすのと、ひとつでは全然違う。納得しきれない部分はありますけど、取り返せたのは大きい」と、アンダーパー発進につなげるキーポイントになった。
ラウンド後の表情が浮かないのは「内容よりもスコアの方が断然いい」という反省の思いから。「ここはボギーが出にくいコースだからスコアが伸びる。3ボギーは多い」。1Wショットが左右に散り、前半12番ではフェアウェイの絶好のポジションからグリーンを外すなど、ショートゲームに入るまでのショットのミスに口をすぼめた。
「明日も“そこ”ができれば確信に変わっていく」と説明したのは、上がり3ホールのプレーだ。バーディ合戦で出遅れを免れたい終盤、7番の2打目をAWでピンそば2mにピタリ。8番(パー3)では5Iの第1打でグリーン左からの傾斜を利用して3mにつけて連続バーディを決めた。最終9番は5mのバーディパットがカップの縁で止まって悔しがったが、「とくに9番のティショットを思ったところ(池と反対のフェアウェイ左サイド)に運べたことが良かった」と話した。
カムバックした舞台で、実戦で得られる課題と収穫をまずは整理したい様子。1ラウンドのスコアで一喜一憂するわけにいかない。満足感を得られるのはまだ先だ。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)