松山英樹、小技で引き寄せた首位発進 ショットの不満は変わらず…
◇米国男子◇ツアー選手権byコカ・コーラ 初日(22日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7385yd(パー70)
「やっぱりバンカーショットとパッティングだと思う」。松山英樹は、開幕前から嘆いていたショットの不振をショートゲームで挽回し、絶好のスタートに結びつけた。前半4番からの3連続を含む6バーディ、2ボギーでプレーし、3回目の出場で大会自己ベストの4アンダー「66」をマーク。ツアー2勝目を挙げた2月「WMフェニックスオープン」以来となる首位発進を決めた。
スタッツも「ショートゲームに助けられた」という内容を顕著に表している。バンカーに4回入れたが、サンドセーブ率(パーより良いスコアで上がる確率)は100%を記録。うち2ホールでバーディをマークした。スコアに対するパットの貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティングは「3.813」で、全体1位だった。
出だしの1番は1Wでフェアウェイに運び、166ydの2打目をピン右2mにつけてバーディ発進。2番(パー3)はラフからのアプローチを寄せきれずボギーとしたが、4番、5番といずれも5mを決め、6番(パー5)ではガードバンカーから1m弱にからめて3連続バーディ。リーダーボードを駆け上がった。
序盤はバーディラッシュの波にも乗り、ショットの復調を感じてもいたが、1打目を右のラフに曲げ、2打目をグリーン奥の池に入れた8番あたりから「おかしくなった」とイメージ通りの軌道を描かなくなる。それでも、4打目で乗せた3.5mをねじ込んでボギーとし、傷口を最小限に抑えて上位に踏みとどまった。
後半も1W、アイアンともにフィニッシュが決まらないシーンが目立ったが、久々にチャンスがめぐってきた14番で3mを沈めて5つ目。17番、最終18番(パー5)と2打目をガードバンカーに落としたものの、いずれも1m強にピタリと寄せてバーディフィニッシュとし、初日の首位の座を確保した。
一方で、ショットへの不満は変わらない。フェアウェイキープ率(71.43%)こそ全体1位を記録したが、ティグラウンドで納得の表情を残したのは数えるほど。「ショットは全然ダメ。まだ、何をすればいいのか分からない」と辛らつな自己評価を下し、足早に薄暮のドライビングレンジへと移動した。(ジョージア州アトランタ/塚田達也)