2016年 BMW選手権

2刀流?松山英樹は1日で2本のドライバー

2016/09/10 07:44
長丁場の1日。松山英樹は早朝の1R(左)と、引き続き行われた2Rで異なる1Wを握ってプレーした

◇米国男子プレーオフ第3戦◇BMW選手権 2日目(9日)◇クルキッドスティックGC(インディアナ州)◇7567yd(パー72)

ショットへの苦悩は、クラブ選択にも表れていた。初日の悪天候による中断、日没順延の影響で、松山英樹はこの日午前に第1ラウンド(1R)の未消化分からプレー。1Wを替えて臨んだその後の第2ラウンド(2R)は3バーディ、2ボギーの「71」で回り、通算5アンダーとして14位タイで終えた。首位との差は9ストロークに広がった。

午前8時から1Rの残り6ホールをプレーして1バーディ、1ボギー。4アンダーの8位タイで2Rを迎えた松山は、約1時間のインターバルで1Wを替えていた。

今大会の練習日からバッグに収めていた「スリクソン Z765リミテッドモデル」を抜き、長らくエース1Wとしてきた「スリクソン ZR-30」へ。ボールがつかまりきらず、右へ流れるショットが多かった1Rの内容を受けて決断した。

その2R。期待を込めた1Wショットは序盤、今度は左に巻くボールが多く出た。パー3を除く前半インの7ホール中4ホールで左のラフに打ち込んだ。ロングコースとしても知られるクルキッドスティックGC。前日の雨で軟らかくなった地面でボールも転がらず、1Wを持たないホールは4つのパー3と10番だけとあって、ストレスは次第に増幅する。

「後半はフェアウェイに行っていたので良くなるかなと思っていたら、アイアンショットが悪くなった。何かが良くなると、何かが悪くなる。最後の方はどっちも悪かった」。疲労感たっぷりに話したのは、1日で24ホールを回る長丁場ゆえではなかった。

2Rの3つのバーディは、いずれも3m以上の距離を沈めた。パッティングについては「いい感じになってきていると思う」と手応えがあるだけに、得意のショットとかみ合わないのが口惜しい。前半14番では残り202ydの第2打をピンから6mにつけ、見事なバーディを奪取。大歓声を呼んだが、本人に手応えはない。「納得いってないですね。大きめの番手、5Iで抑えて打って、ミスショットをして、ピン筋に行って、ラッキー…という感じ。6Iを持ちたいところで勇気がなかった」というのが現状だ。

「(トップと)9打差では…。4打差くらいなら頑張ろうと思えるんですけど。あと1.5ラウンドでスコアを伸ばして、残りのハーフで良い位置にいられたら面白いけど…口だけですよね…」。松山の言葉だけを追うと沈黙ムードだが、まだ試合はハーフターンしたばかり。我慢強く戦えば、何かのきっかけをつかめば、好成績が転がり込むことは十分にある。(インディアナ州カーメル/桂川洋一)

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