ミケルソン 娘の卒業式からとんぼ返りでキャリアグランドスラムに挑戦
ペンシルベニア州オークモントCCを舞台に行われる「全米オープン」。メジャー通算5勝のフィル・ミケルソンは今年も“独自”の準備期間を経て、ティオフを迎える。
ミケルソンにとって全米オープンは、史上6人目のキャリアグランドスラム達成に向け、最後に残されたタイトルだ。惜敗の2位が大会最多の6回(1999、2002、04、06、09、13年)。母国のナショナルオープン制覇を夢見て、開幕初日の16日(木)に46歳になる。
今週13日(月)に当地で練習を行った後、カリフォルニア州の自宅に帰った。翌14日に次女ソフィアさんの中学校の卒業式に出席するためだった。その直後にプライベートジェットでペンシルベニア州に戻り、開幕前日の15日(水)に最終調整を行った。
ミケルソンは13年大会の際にも、長女アマンダさんの卒業式を理由に、開幕前日の練習をお休み。初日の早朝にメリオンGCに戻って第1ラウンドをプレーした。同大会はジャスティン・ローズ(イングランド)に2打及ばず2位。今回も「僕はそれぞれの人の人生において大事なことだと思う。親であれば、こどもの節目である、中学の卒業式に出るチャンスがあればそうすることだろう」と事もなげに言い、家族愛をあふれさせた。
ミケルソンはこのオークモントで行われた前回2007年大会、1994年大会に出場した。それぞれ予選落ち、47位と振るわない。「ラフの難しさはさほど変わらない。ここはいままでプレーしてきた中で最も難しいコースのひとつ。ポイントはティショットに尽きる」という。
自信としているのが復調傾向にある最近の戦績だ。「待ち望んでいる優勝こそないけれど、本当に良いプレーができていて、状態が戻ってきている」。今季は前週の「フェデックス セントジュードクラシック」の2位を含め、既に5回のトップ10入りを果たしている。
「あしたには46歳になるけれど、僕にはそういったこと(家族の行事)も重要なんだ。同じようなことをまだ考えない20代の若者とは違う。でも僕の人生には大きなことだから」。人生経験も含めたキャリアの濃密さが、若手選手たちと対等に戦う武器になる。(ペンシルベニア州オークモント/桂川洋一)