第2R平均は189位…岩田寛が“鬼門”突破をにらむ
米国男子ツアー直近4試合で3回の予選落ちに1回のセカンドカット(MDF)と、苦しい戦いが続いている岩田寛。ノースカロライナ州で5日(木)に開幕する米国男子ツアー「ウェルズファーゴ選手権」は鬼門突破に向けて照準を定めている。
「体力的には大丈夫です。予選で落ちているので…」と自虐的に言うが、かすかに口元に浮かんだ笑みのワケは、試合前の気分転換によるものでもありそうだ。今週月曜日(2日)に行ったクエイルホロークラブでの練習ラウンドは、松山英樹と一緒に行った。
昨秋から主戦場が同じになったふたりが、同じ試合に出場するのは2月末の「ザ・ホンダクラシック」以来。気心知れた後輩とのコースチェックの時間を過ごし「なんか…。久々に他の人と回って『自分は元気がないな』と思った」という。
「僕も練習ラウンドでは前まで、明るくやっていたんですけど、いつの間にかそれもなくなっていた。全然分からなかった」。成績と調子が停滞するうちに、気持ちも煮詰まっていたことに気づいた。
今週は日本から担当者が持ち込んだ新アイアン「本間ゴルフ TW727V アイアン」を投入する可能性もあるが、「スコアよりも、まずは気持ち」と、あくまでラウンド中におけるメンタル面の整理を強調した。
その中で重視するのは、予選突破がかかった2日目のラウンドだ。米ツアー初年度の今シーズン、第1ラウンドの平均スコアは70.41で全体70位ながら、第2ラウンドになると72.71で189位に後退し、まるで別人とも思えるほどそのギャップは顕著だ。
「原因が分かったような気がした。2日目になると『スコアを伸ばさなきゃいけない』と、体が勝手に動いている。セカンドショットで狙わなくていいところを狙って、ボギーを打ったりしていた」。フェデックスカップポイントランキングは前週、ついにシード獲得圏内の上位125位からこぼれて129位となった。“鬼門”を通らずして、ツアーには残れない。
もちろん、「時と場合による。そういう状況になったら頑張りたい」。まずは上々のスタートを切ることが、弱点克服に臨む条件。課題にひとつずつトライしていく。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)