2016年 WGCキャデラック選手権

トランプ氏が来場 コース変更検討「悪いこと」

2016/03/07 10:24
最終日にコースを訪れたドナルド・トランプ氏(Mike Ehrmann/Getty Images)

フロリダ州で行われた「WGCキャデラック選手権」最終日の6日、開催コースのトランプナショナルドラールのオーナーで、米大統領選の共和党指名争いをリードする不動産王ドナルド・トランプ氏が会場を訪れた。相次ぐ過激発言で、2017年大会の会場、メーンスポンサーは不透明となっている。

トランプ氏は、最終組がティオフする約1時間半前にヘリコプターで来場。ギャラリーや支持者たちから大歓声で迎えられたが、警備員が同氏の周囲を取り囲む物々しい雰囲気となった。

トランプ氏は昨年6月に共和党指名候補に名乗りを上げた。5日までに行われた19州での予備選で12勝を挙げ、優位に戦いを進めている。しかし、中南米系の移民をべっ視し、メキシコとの間に『万里の長城』を築くなどとの過激発言を繰り返し、米ゴルフ界にはこれを問題視する動きがある。

米国プロゴルフ協会は、同氏の所有コースで開催を予定していた大会の会場を変更。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)は昨年7月にスコットランドのトランプ・ターンベリー・リゾートで行われた「全英リコー女子オープン」の際、マイク・ワン・コミッショナーが「会場を変更しなかったのは時間的制約のため。トランプ氏の発言を支持するものではない」との声明を発表した。

「WGCキャデラック選手権」については、キャデラックを展開するゼネラルモーターズ社が、トランプナショナルドラールでの2017年以降の開催に難色を示している。

トランプ氏は、会場変更の可能性について問われると「ゴルフ界にとって悪いことだ」と反応。PGAツアーとは同コースで開催する契約があると主張し「すべての人々がドラールで、このブルーモンスターで試合が行われることを希望している」と話した。前身の「ドラールオープン」が1962年から当地で行われてきた歴史がある。トランプ氏は「キャデラックはいままですごく良くしてくれたのに」と語った。PGAツアーのティム・フィンチェム・コミッショナーはスポンサー変更の可能性を示唆した。

トランプ氏は、数日前の米ゴルフウィーク誌のインタビューで「私にとっては、ここで大会を開催するのは実に高いコストがかかることなのに。開催コースを移すならどうぞお好きに。なんとも馬鹿げた話。ここはフロリダで最高のコースで、最高のトーナメントだ」と答えている。

2016年 WGCキャデラック選手権