2016年 ザ・ホンダクラシック

松山英樹「誕生日祝いにダボ2つ…」 苦境で見せた24歳の忍耐力

2016/02/26 09:10
初日はオーバーパー。14番の3打目でウォーターショットを試みた松山英樹

米国男子ツアー「ザ・ホンダクラシック」が25日(木)、フロリダ州のPGAナショナルで開幕。この日に24歳になった松山英樹は5バーディ、2ボギー、2ダブルボギーの「71」(パー70)で回り、1オーバーの暫定40位タイと出遅れたが、トラブルのあとの忍耐力を象徴するバースデーラウンドとなった。

前日までのポカポカ陽気とは一変し、風速およそ7m/sの冷たい強風が身にしみた初日。水色のセーターに身を包んだ松山は前半3番(パー5)でバーディを先行させながら、その後は「調子の悪さが結果に現れた」展開となった。1.5mのパットがカップに嫌われた5番(パー3)でボギー。続く6番では右手前のラフからの3打目でもグリーンに乗らずダブルボギーを叩いた。

3オーバーで迎えた12番で2.5mのバーディチャンスを活かし、続く13番ではフォローの風に乗せた1Wショットが333ydを記録するビッグドライブから2連続バーディ。ところが、14番でフェアウェイからの2打目が右に出てグリーンサイドの池につかまった。ウォーターショットを試みた3打目で脱出できず、あきらめてドロップ。結局5オン1パットで2つ目のダブルボギーを叩いた。

それでも、このままズルズル後退しないのが松山の逞しさ。連続する難関3ホール“ベア・トラップ”の出口である17番(パー3)では、8Iでのティショットでピン右1.5mを捕らえてバーディ。最終18番(パー5)はUTでの2打目でグリーン右まで運んで連続バーディで締めくくり「3オーバーまでいってから、1オーバーで上がって来られた」ことが、ひとまずの安堵感を生んだ。

ラウンド直後のインタビューでは冒頭から「誕生日祝いで…ダブルボギーがふたつになりました」と苦笑い。「強い風は久々だった。“免疫”はないですよね。他の人はトーレパインズで、えげつないのを経験しているけど…」。自身が予選落ちした1月の「ファーマーズインシュランスオープン」の週末に吹き荒れた暴風を引き合いに出すなど、なんだか自虐的な表現を駆使して周囲を和ませた。プロとして年を重ね、精神的な余裕も少しずつ携わってきたところだ。

とはいえ、この日も口にした反省点は数知れず。71.43%と高いフェアウェイキープ率を残しながら、持ち前のアイアンショットにキレがない。「セカンドは良いところから打てているはずなのに。調子が良くないからこれだけ悪い」。「これだけの風の中でプレーすると、やっぱり自分のスイングがしっかり安定していないといけないと思う」。パットについても「全然良くないけれど、入ってくれている。自分の良いフィーリングが出ればストレスも減る」と止まらない。人生の節目の1日も、ゴルフに向き合う姿勢は普段となんら変わらなかった。(フロリダ州パームビーチガーデンズ/桂川洋一)

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