松山英樹 最下位抜け出せず「心が折れそうだった」
バハマで開催中のタイガー・ウッズの招待試合「ヒーローワールドチャレンジ」2日目。3オーバーから出た松山英樹は2バーディ、3ボギーの「73」と再びスコアを落とし、通算4オーバーで最下位の18位から脱出できなかった。
何をやってもうまくいかない。まさにそんな1日だったかもしれない。微風のコンディションで巻き返しを図った松山は、序盤2番(パー3)で第1打をピン左3mにつけてバーディを先行させながら、続く3番(パー5)で6mから3パットボギー。7番で2つ目のバーディを決めた後も、8番(パー3)で3パットボギーを叩いた。
「5アンダー、6アンダーと出さないと上位に行けない感じの中、3パットで完全に流れが途絶えてしまった」。後半はわずかなチャンスも生かせず、何度も曇り空を仰いだ。
フェアウェイの両サイドのラフはほとんどファーストカットのように短いが、さらに外に打ち込むと、砂浜のようなウェイストエリアになっている。松山はこの日、グリーンサイドのバンカーからのショットはなかったが、フェアウェイバンカーも含めた砂地から6回打った。
「ティショットから全部苦しかった。うまくいきそうなところでうまくいかなかったり、いい感じで『つかめたかなあ』というところで、うまく攻められなかったり…いいショットを打った後にバーディが来ないのはキツイ。17番(パー3)も良いショット、18番のセカンドも良いショットを打ったけれどパットを決められなかった」
トップとの差は15ストロークにひらき、17位のジャスティン・ローズ(イングランド)とも5打差。「きのうみたいにキレたらいけないと思って、(終盤は)我慢しながらやっていましたけど、いい方向につながらなかった。心が折れそうですけど、最後まで一生懸命やった」。世界ランク上位選手ら18人だけが出場しているエリートフィールドでは、いっそう惨めな気持ちが沸いてくる。「僕だけなんで、オーバーパーなのは…赤字(アンダー)に戻せるように頑張りたい」
フロリダから1時間あまりのフライトで到着するバハマ国。この日の来場ギャラリーも数百人といったところ。最終18番を迎えるまで、松山の組について回ったのは、ほぼ関係者だけだった。「なんか変な感じもする。心が折れたら、そのまま歯止めが利かなくなる可能性がありそう。練習ラウンドみたいな雰囲気になって、悪い方向にいってしまいそうになる。それを引きとめないといけない」。普段、大勢の観衆を引き連れるプレーヤーだからこそ味わう違和感。あすもまずは自分との戦いだ。(バハマ・アルバニー/桂川洋一)