ルーキーシーズンがスタート 岩田寛のテーマは「変わらない」
米国男子ツアーの2015-16年シーズン開幕戦「フライズドットコムオープン」は15日(木)から、カリフォルニア州のシルバラードCCで行われる。先月の“入れ替え戦”ウェブドットコムツアーファイナルズを通過した岩田寛が今季から本格参戦。2013年に海を渡った石川遼、14年の松山英樹に続く、日本人で現在3人目のツアーメンバーだ。
記念すべきルーキーシーズンの初戦は、いきなり強行日程の中で迎える。今大会は日米をまたにかけた連続出場の8週目。8月の国内ツアー「RIZAP KBCオーガスタ」から国内で2試合、入れ替え戦全4試合。前週は再び日本で「HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF」に出場し、最終日の夜に再渡米した。
「感じている部分では疲れはない。見えない疲れはあるのかもしれないけれど」と、翌日の12日(月)にはさっそく練習に取り組むタフガイ。今大会は日本の3選手はいずれもコースのあるリゾート内に宿泊しており、「部屋が隣だった」という松山にはその夜に、自身のチームの食事だったカレーをおすそ分けした。
夢だった米ツアーにたどり着いても、せわしないスケジュールと培ってきた経験が、岩田を冷静にさせてくれている。
「どこに行ってもやることは変わらない。フェアウェイに行って、グリーンに乗せてというのはどこでも同じ。課題が見つかれば、それをやっていく。飛距離を伸ばそうとか、体をデカくしようとか、そういうのは特別ない。今ある状態、実力でやるしかない」
体格差のある海外選手に負けまいと、多くの日本人がかかったといわれる“PGAツアー病”にも耐えうる「変わらない」決心。「芝が違うことと、周りのレベルが違うことを理解して、うまくやりながら。あまり自分を追いつめても良いことがない。遊び心を持ちながらやっていきたいです」と落ち着き払った様子で話した。
次週の「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」にも出場した後に1週の休みを取り、その翌週から再び米ツアーでの戦いに専念する意向。今大会は初日、午後の最終組。当面の予選ラウンドは、主力選手とはかけ離れた時間帯でのプレーを強いられるが「(スタートが)早くても遅くても変わらない」と淡々。
「新たな場所だし…つらいことはいっぱいあると思う。最高峰の舞台ですからね」。さあ、新天地での冒険の始まりだ。(カリフォルニア州ナパ/桂川洋一)