石川遼 アンダー発進よりランガーとの同組に喜び「サンドイッチもらった」
初日を終えた石川遼は、「アンダーパーはうれしいけど、それより本当にランガーとプレーしているというのがうれしい」と、少年のように目を輝かせた。フロリダ州のTPCソーグラスで開幕した「ザ・プレーヤーズ選手権」の初日、石川は6バーディ、5ボギーの「71」で回って1アンダー40位タイ。マスターズ2勝などを挙げたドイツのレジェンドプレーヤー、ベルンハルト・ランガーとのラウンドを「本当に楽しかった」と振り返った。
2週間前の「チューリッヒクラシック」で掴みかけたショットの手応えは、「まだ、不信感の出るところがある」と石川。インスタートの出だし10番から2連続バーディを決めたが、かすかな不安を拭えぬまま、その後はラウンドを通じてボギーが散発する展開。それでも「チャンスはしっかり決められた」と、ボギーの数を上回った6つのバーディで前を向いた。
初出場の今大会。試合では初体験となった有名なアイランドグリーンの17番(パー3)では、手前に切られたピンに対してPWで右9mまでしか付けられずパー。しかしそれにも気落ちはしない。「相当緊張して、スイング的には20点。普段はPWを打った後に9mのバーディパットなら、すごく落ち込みながらグリーンに行く。けれど、あのホールだったら“ヨシヨシ”みたいな感じ(笑)。とにかくバーディパットを打つことが大事」。
グリーンに乗せればバーディパットを打てる。グリーンを外せば、短いアプローチではなく、100yd程の3打目を打たなくてはいけない。そのギャップの大きさが、ティショットに掛かるプレッシャーを増していると説明した。
とはいえこの日、スコアメークのことよりも石川の心を大きく占めていたのは、同組で回ったランガーの存在だった。「(過去に)テレビで見ていたランガーと何も変わらないところがすごい。衰えというのをまったく感じない」。長くトップで続けていく選手の共通点は“体”と“スイング”だと思ったという。
「結構、話もしましたよ。それにサンドイッチを半分もらったり…(笑)。まだフワフワしている感じはありますね」。
もう1日、あすもランガーと同組だ。開幕前日は500球を打ち込んで、「練習した甲斐があった」と振り返った石川に、今日は何球?と聞くと「400球くらいですね」と軽く笑った。これはもちろん上機嫌だった石川の冗談で、実際は普段通り100球ほどを打ち込んで、ゆっくりと2日目に備えた。(フロリダ州ジャクソンビル/今岡涼太)