岩田寛 今年初戦が“ラストチャンス”?
2015年はまだ始まったばかりだが、今週の米国PGAツアー「ソニーオープンinハワイ」に主催者推薦で出場する岩田寛は、「今週がラストチャンス」と口にした。
その言葉は、来季の米ツアー参戦を見据えたものだ。岩田は昨年11月に中国・上海で行われた今季第5戦「WGC HSBCチャンピオンズ」で3位タイに入り、フェデックスカップポイントは152点を獲得。この1試合だけで、昨年の同ランク182位に該当するとあって、すでに今年のウェブドットコムツアーの入れ替え戦(ファイナルシリーズ)出場は当確となっている(※ノンメンバーで同126位から200位以内ならば出場可能)。
だが、目指すのは125位以内。そうすれば、一気に来季PGAツアーのシード権を獲得できるためだ。
しかし、現時点で今週以外のPGAツアー出場は決まっていない。現在の世界ランクは67位。さらにランクを上げてメジャーやWGCへの出場を目論んではいるが、「WGCキャデラックマッチプレー」は同64位、「全米オープン」は同60位、「マスターズ」、「ザ・プレーヤーズ」、「WGCブリヂストンインビテーショナル」は同50位以内と、もう少しのランクアップが必要だ。(※「全米プロ」は慣例として100位以内の選手を招待している)。
だから、「今週がラストチャンス」。
昨年8位に入った谷原秀人のように、トップ10に入れば自力で次の試合の出場権を獲得できる。自らにプレッシャーをかけ過ぎることは嫌うが、「準備だけはしてきた」と、飄々とした中にも気合いをのぞかせた。
今年に入って宮崎で3日間の短期合宿を張り、日曜日にハワイ入りしてからは、「ヘッドを重いものにした」と、52度と58度のウェッジを調整した。だけど、調子は「あまり良くない」。ただ、3位に入った中国でも、練習ラウンドでの調子は悪かったというから、結果は始まってみなければ分からない。
興奮と冷静の狭間で「葛藤しています」と、はやる気持ちを抑えるのにひと苦労だ。「海は嫌いだし、ショッピングも歩くのが疲れるからイヤ」と、せっかくのハワイでも気分転換は簡単そうで難しい。「でも、いつも天気がいいから、最高ですよね」。そんな言葉を付け加えるのがやっとだった。(ハワイ州ホノルル/今岡涼太)