2014年 フライズドットコムオープン

予選突破も苦悩の石川遼「内容的には全然ダメ」

2014/10/11 15:26
不本意なショットが続いた石川遼。だが、予選突破の底上げは出来てきている

上がり3ホールで2バーディ。「フライズドットコムオープン」2日目の石川遼は、予選落ちのピンチを、終盤の粘りでかろうじて踏みとどまった。だが「内容的には全然ダメ」。初日に続いての「71」にも、落胆の色がにじんだ。

1アンダーからスタートした大会2日目。後半10番、11番(パー3)は、ティショットのミスから連続ボギーとして1オーバーへスコアを落とした。直後の12番では残り105yの第2打をSWでピン上から戻してイーグルを奪ったが、14番でティショットが「低い球を打ちにいったら、滑るように右に出た」と、再びボギーをたたいてしまう。

カットラインも気になり始めた中盤。石川は「良いスイングをして、良い球を打って、良い結果も欲しい」という心理状態にあったという。「そんなにいっぱいできないよ」。心の中でもう一人の自分自身と葛藤していた。

だが、残り3ホールと追い込まれた16番(パー5)は1Wでフェアウェイへ会心のショットを放ち、続く4Wでグリーン脇まで運んでバーディ奪取。17番をパーで切り抜けると、18番(パー5)もD、4Wとつないでバーディで締めくくった。

「追い込まれて、逆に結果を求めなくなった」と石川はいう。余計な欲を捨てることで、理想のスイングを取り戻したが、そうすることは口で言うほどたやすくはない。自己の内面を見詰めて整える難しさを、曇った表情が物語っていた。

最終的にはカットラインを2打上回って、47位タイで週末へと挑む。「この内容で予選を突破できたというのは、逆にもっともっと上に行けると思わせてくれる」。苦しみの中にも、一筋の光明は見出していた。(カリフォルニア州ナパ/今岡涼太)

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