2打差発進の石川遼 ドライバーミス連発“油断”を猛省
ニュージャージー州のリッジウッドCCで開幕した「ザ・バークレイズ」初日。石川遼が5バーディ、1ボギーの「67」(パー71)をマークし、4アンダーの10位タイでスタートを切った。トップには2打差。しかし初参戦のフェデックスカッププレーオフ第1戦での好発進にも「とにかくラッキーだったなと思います」と慎重な言葉が口をついた。
出だしはピンチの連続だった。スタートの10番(パー3)で2メートル弱のパーパットをなんとか沈めると、続く11番は第1打を大きく右に曲げ、レイアップからの3打目はピン手前7メートルまでしか寄らなかったが、これを再びカップに流し込んだ。さらに12番もティショットが右の林に打ち込みながら、しぶとく2メートルを沈めてパーセーブ。「曲がった時にグリーン狙えるところにありましたし、刻んで、長いパットが入ってくれたりした」と薄氷を踏む滑り出しは、スリリングそのものだった。
フェアウェイキープは50%。ティショットのミスはすべて右サイドへ飛んだものだった。この初日に握ったドライバーのシャフトは、グラファイトデザイン社の未発売モデル。以前は46インチだった長さを45インチのものに替えた。ニューモデルの性能は申し分なく、短くしても飛距離がテスト段階で変わらなかったため、操作性と振り心地を重視。しかし「46インチは、かなりシャープに振っていかないといけなかった。45に替えたことで逆に“甘え”があったかもしれない」と、ラウンド後はスイングに対する油断があったことを認めた。
とはいえ慌ただしい序盤を無難に乗り越えたこと、セカンドショット以降の充実ぶりが反撃を呼んだことは間違いない。
13番(パー5)で5メートルを決めてバーディが先行。すると後半アウトでリーダーボードを駆け上がった。第1打をピンそば1.5メートルにつけた2番から一気に4連続バーディを奪取。4番では右ラフから第2打を4番アイアンのスライスボールで前方の木を避け、手前5メートルにつけるスーパーリカバリーを披露した。計24パットは全体3位の出来。最終9番のパーセーブは「昨日の練習が活きた」とグリーン奥の深いラフからの第3打を、ロブショットでピンそば50センチに寄せきったものだった。
「ドライバーをまだ思い切って振り切れてないところがある。試合でどんどん振っていくしかない」。ティショットが荒れても、まとめたスコア。培ってきた粘り強さを、残り3日間で爆発力に変えていく。(ニュージャージー州パラマス/桂川洋一)