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折れたドライバー 13本で掴んだ松山のPGAツアー初優勝

コットンウッドの白綿毛が舞い散るミュアフィールドビレッジGCで、米ツアー本格参戦1年目の松山英樹が、日本人4人目となるPGAツアー制覇を成し遂げた。最終日は8バーディ3ボギー1ダブルボギーの「69」で通算13アンダーとし、ケビン・ナとのプレーオフの末に初の栄冠を獲得した。

首位と2打差でスタートした最終日、松山は1番でいきなり1メートルにつけてバーディ奪取。続く2番ではグリーン手前のバンカーからチップインバーディと早々にスコアを伸ばし、1組後ろの最終組にプレッシャーをかけた。

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続く3番では2.5メートルのパーパットがカップに蹴られるも、直後の4番でカップ2~3個は切れるフックラインを沈めてすぐにバーディを取り返す。「昨日の練習でちょっと掴んだものがあった」というパッティングで、8番(パー3)で下り6メートルのスライスラインを沈めてこの日5個目のバーディを奪うと、グリーン脇で進藤大典キャディを見つめてニヤリと笑った。

前半9ホールを終えた時点ではバッバ・ワトソンと並び、アダム・スコット(オーストラリア)が1打差で追う展開となり、勝負のバックナインへと突入した。

勝負が動いたのは、15アンダーの単独首位で迎えた16番(パー3)。「右から風が来ているのは分かっていたけど、ミスショットで影響を受けてしまった」と池に打ち込んでダブルボギー。「ダボを打ってもまだ1打差(ワトソンが14アンダー)だったので、すぐに次のホールに向かっていった」という松山だが、続く17番でも3.5メートルのパーパットを外してボギーとし、この2ホールで3つ落として12アンダーへと後退した。

後続のワトソンも15番でダブルボギーを叩いて12アンダーとなり、首位は2時間前に13アンダーでホールアウトしていたケビン・ナに。プレーオフ進出にはバーディが必須という状況で、松山の最終ホールのドライバーでのティショットは右へと出た。

だが、このショットは風と傾斜に戻されて辛うじてフェアウェイへ。「フェアウェイにあったので(ダボ、ボギーの悪い流れを)切り替えられた」と前を向いた。ピンまで残り166ヤードで手にしたのは7I。ゴルフを始めてから最も練習してきたミドルアイアンで、大ギャラリーが取り巻く18番グリーンへ2打目を放ち、ピンそば1.5メートルに突き刺した。このホールは4日連続となるバーディ。パットをねじ込むと、2度力強くガッツポーズを繰り出した。

プレーオフ進出を決めた松山だったが、正規の18番のティショットのあと、右に出た球を見てガックリとドライバーを下ろした際に、不運にも集音マイクを支える鉄の棒に当たってシャフトが折れ、スペアもない状況。「予備がなかったのはちょっとあれだったけど…、(借りたりするより)3Wで行った方が試合の流れでいけると思った」と、13本のクラブで決戦のティグラウンドに立った。

プレーオフ1ホール目、松山は3Wで右サイドのバンカーへ。一方のナは、ドライバーで左のクリークに入れてしまう。だが、松山は「練習ラウンドでアプローチ、パッティングがうまかったので絶対にボギーでは上がってくると思ったから、パーを獲ろう」と、5Iでグリーンを狙い、グリーン左のギャラリーの中へ。ラフからの打目でピン上3メートルまで運んだ。

一方のナは右ラフから4オン。夢の1つに掲げる“PGAツアー優勝”は、松山自身がこのパーパットを沈めて自らの手で掴み取った。両手を挙げてガッツポーズを見せた松山は、進藤キャディと抱き合ってツアー初優勝を喜んだ。

「フェニックス(ウェイストマネジメント フェニックスオープン)、先週(クラウンプラザインビテーショナル)と優勝するチャンスがあったのに出来ず、悔しい思いがあったので、早く優勝できて嬉しい」と、喜んだ松山。「でも、この4日間納得できないプレーもあったので、今日は今日のこととして忘れて、次の優勝に向けて頑張りたい」と、早くも視線は2週間後の「全米オープン」へと向けている。今日くらいはお祝いするのか? と問われた松山は「それはチームのみんな次第。僕はどちらでもいいです」とにっこりと微笑んだ。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)

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