予選通過ボーダーライン上の石川遼 不振に「つかむものが無い」
米国男子ツアー「バルスパー選手権」が13日(木)、フロリダ州のイニスブルックリゾートで開幕。石川遼は2バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「73」(パー71)で回り、2オーバーの70位タイと出遅れた。
フロリダの春とは思えぬほどの肌寒い初日。冷風を受ける体を薄手のセーターで包んだ石川は、序盤11番(パー5)で第3打をピンそば2メートルにつけてバーディを先行させた。しかし幸先の良い滑り出しと思いきや、本人の胸の内ではここ数週間続くショットへの違和感が拭えないままのプレーがこの日も続いていた。
“スネークピット(ヘビの穴)”の異名を持つ難易度の高いインコース終盤3ホール。最初の16番でティショットを左の林に曲げると、第2打は前方の木を直撃して跳ね返り、ボールは後ろへ。「6番アイアンのロフトを立てて打ったけれど、打った瞬間にボールの周りの何か(枯葉など)に当たってボールが飛び出してしまった。考えなくてはいけなかった」。4打目をグリーン奥にこぼすなど、5オン1パットのダブルボギーを叩いた。
さらに18番でも第1打を左へ曲げてボギー。折り返した後半アウトでは5番(パー5)で5メートルを沈めてバーディとした直後、6番では5番ウッドで右の林に打ち込み再びボギーを叩くなど、安定感を欠いた。
直近4年連続で予選落ちを喫している苦手大会で、今年も2日目を決勝ラウンド進出のボーダーライン上で迎える。しかしスコア以上にショットへの不満がある。フェアウェイキープに成功したのは、5つのパー3除く13ホール中7ホール。18ホールを振り返っても「つかむものが無い」とバッサリ。この日、満足いったショットは「練習場では良かったけれど…(試合ではスタートホールの)10番のティショット…だけ、かなぁ…」と苦笑いした。
光明はこの日、グリーン周りからのアプローチが1度のバンカーショットも含め8度あったが、7度“寄せワン”に成功させたこと。「今日はグリーン外すことが多かったし、良い練習になった。パットも悪くない。ロングパットも合わせていけている」とショートゲームには手応えもある。石川と同じ、首位から5打差以内にはなんと97人がひしめく大混戦。不調を受け入れながら、地道にスコアをまとめれば、浮上のチャンスはまだ存分にある。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)