2014年 バルスパー選手権

石川遼 不安いっぱいで苦手大会へ「やっぱり違う、が多い」

2014/03/13 07:03
理想と現実のギャップ・・・開幕前日の練習場で石川は渋い表情ばかりを浮かべた

米国男子ツアー「バルスパー選手権」は13日(木)にフロリダ州のイニスブルックリゾートで開幕する。日本勢でただひとり出場の石川遼は開幕前日、当地の練習場で調整。状態に不満をのぞかせた。

石川にとっての同大会は、2009年に米ツアーで初めて決勝ラウンドに進み、賞金を手にした地。だが以降は4年連続で予選落ちを喫しており、頭に残っているのは悔しい記憶ばかり。「ここは苦手なコース。すごく良いコースで、ボギーを叩く要素がたくさんある」と、はっきり言う。

しかし今週に限っては、コースとの相性よりも不安なのが、自身の調子。前週の「プエルトリコオープン」で4戦ぶりに予選を通過し、来季のシード獲得へ第1目標としていたフェデックスカップポイント450点をクリア(453点=全体30位)。しかしショットの良し悪しは日替わりで「順位を落とさないようにするのに必死だった」と舌を出す。

苦しんでいるのは「リズムです」とこぼした。

前日11日(火)の練習ラウンドはアウトコースのハーフで終了。プロアマ戦に出場できなかったこの日は午後からドライビングレンジに姿を見せたが、約2時間の打ち込みの大半を6番アイアンでのショットに割いた。「今は1本のクラブを練習したいと思っているので。(長いクラブと短いクラブの)ちょうど真ん中くらいかなと」。結局ドライバーでの練習は行わず、肩を落としてパッティンググリーンへと向かった。

「しっかり球が飛ぶ感じでインパクトができていない。形はいいんです。トップの形、ダウンスイングの形、インパクトの形…。曲がる要素はあまりない。でも、実際に打ってみると、『やっぱり違うなあ』というのが多い」と、弾道とフィーリングにギャップを感じている。石川は最近「6番アイアンで200ヤード」をひとつの目指すべき飛距離としているが、「先週、先々週と良いスイングができると、6番アイアンで200ヤードが出ていた。でも(今週は)193ヤードくらいしか打てていない」と、もどかしさを口にした。

ただし、試合当日になっても遠い理想を追い求めるつもりはない。「明日になったら考えすぎずにやりたい。球が曲がっているわけじゃないので。しっかりゴルフを組み立てて、今週が終わったらまた来週に向けて作り上げていく」と切り替えを強調。現実的な力と調子を把握しながら、地道にスコアをまとめていく。長いシーズンを戦うシード選手として、欠かせない能力だ。(フロリダ州タンパ/桂川洋一)

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