米国男子ツアー

松山英樹は24位で最終日へ「諦めずに最後まで」

2014/02/16 08:27
5番でイーグルを決め、グリーン上で歓声に応えた松山

イーグルあり、ダボありの出入りの激しい1日。18番からクラブハウスへと続く急坂を上りきった松山英樹は、冷えたコーラをのどに流し込んで言った。「楽しかったですよ」

カリフォルニア州のリビエラCCで開催中の米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」3日目。3アンダーの23位タイで第3ラウンドを迎えた松山英樹は1イーグル、5バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「69」で回り、通算5アンダーの24位タイで最終日を迎えることになった。

前半の見せ場は5番ホール。残り137ヤード、フェアウェイから打ち下ろしの第2打は、グリーン上で2バウンドしてカップに消えた。「(入ったところは)見えてなかった。いい感じで打てたんで、まあ(チャンスに)ついただろうなあと思って歩いていたら、(歓声で)あ、入ったんだ、って」。勢いをもたらすイーグルで進藤大典キャディとハイタッチをかわし、その後の猛チャージを予感させた。

しかしこの日はドライバーショットが「昨日よりも悪くなっていた」。フェアウェイキープ率は全体平均(54.55%)以下の50%。アウトの3ボギーはいずれもグリーン周りからのリカバリーに失敗して叩いた。後半の10番、14番(パー3)でバーディを決めたが、15番ではフェアウェイからの第2打をグリーン手前のバンカーに打ち込み、3パットのダブルボギー。近づいたかに見えた優勝争いが、再び遠のいた。

ところが、そこで終わらないのが松山。直後の16番(パー3)、不機嫌そうな顔で放ったティショットはピン奥1.5メートルにピタリ。17番(パー5)ではドライバー、スプーンで2オンに成功し2パットで、すぐに2連続バーディで取り返した。最終的に首位とは7打差。「今日スコアを伸ばしても順位は上がっていない。それがこのツアーのレベルの高さだと思う」と悔しさはある。それでも「その中でこうやってオーバーパーを打たずにプレーできているのはすごくいい」と、持ち前のスコアメークの上手さには満足感を示した。

予選ラウンドが終わり、優勝争いに向けて攻撃的なプレーが展開されやすい3日目。コースセッティングもそれに呼応するように変化が加えられる。しかしスコアや順位が大きく変動しやすいこのムービングデーへの意識は、松山には特段無いという。

「皆さんがおっしゃるムービングデー(の感覚)って言うのは僕には全然分からない。1日、2日目と同じだと思っているんで。最終日だけは優勝を争うから違うけれど。『3日目だから…』という感じ(意気込み)は無いんです」

アイアンショット以外は本調子には程遠い。「諦めずに最後まで。噛み合えばチャンスはあると思う。無理をせずに噛み合うように頑張りたい」と明日を見据えた。その一方で、修正ポイントを問われれば「修正しようと思って練習してるのに、修正できていないから。普通に練習して帰ります!」と入れ込む様子は見せない。

侮らず、悩み過ぎず。今週も絶妙なメンタルバランスで72ホールを戦い抜く。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)