石川遼、緊張感を跳ね返した2年目の成長
米国カリフォルニア州サンマーティンにあるコルドバレーGCで開幕した今季PGAツアー初戦「フライズドットコムオープン」初日。フル参戦2年目を迎える石川遼が2アンダーの19位タイ発進と、存在感を発揮した。
ウェブドットコムツアー最終戦を終えてから中1週間。だが、「1週間空いただけでも、開幕戦に向けてという時間を作らされた」と石川は言う。「ウェブドットコムと同じと思って、意識していないつもりでいても、硬くなっていた」と序盤は見えない緊張感と戦っていた。
1番、2番と6~8メートルのバーディパットを続けて沈めたが、「あれでリラックスしたかというと、そんなことはない」。230ヤードの3番(パー3)では、ティショットをグリーン奧に外してボギー。6番ではラフからバンカーへと渡り歩いてのダブルボギー。一時は1オーバーへとスコアを落とした。
しかし、8番の第2打をピンそば90センチにつけて息を吹き返した。「あのバーディあたりからリラックスできた」と、11番はボギーとするも、14番からの上がり5ホールで3バーディを奪って、日が傾くとともに寒さの増したコース上で一気にスコアボードを駆け上がった。
「昨シーズン序盤、西海岸のグリーンで苦しんだ自分はどこにいったのかな」というほどに、苦しんでいたパットも復調。ウェブドットコムツアーのファイナルズ初戦からかつてのエースだったL字へとパターを戻し、「インパクトで減速せずに加速していくことを意識した」というストロークとも噛み合った。「取り戻せたというより、むしろ良くなった」と、石川の手応えも充実している。
手探りで迎えた昨年の開幕戦とは違い、今年はウェブドットコムファイナルズでの“優先順位13位”というきっちりとした立ち位置がある。足元をしっかり見据え、今やるべきことをやる。2年目の石川の姿が、ひとまわり大きく見えた。(カリフォルニア州サンマーティン/今岡涼太)