2013年 全英オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全英OPレポート2013<5>】

2013/07/20 05:01
無念・・・初日の出遅れが響き、藤田さんは決勝ラウンド進出を逃しました。

残念ながら予選通過はなりませんでした。でも今日2日目は、藤田さんの今持っている力を全て出し切れたんじゃないでしょうか。

練習日からずっと同じ向きで吹き続けていた風が、今日は突然真逆からの風向きになったんです。ティショットをアイアンで打っていたホールでドライバーを握ったり、セカンドショットの番手が昨日までと3番手から4番手は変わったりして、まるで全く違うコースでプレーしているかのようでした、

それでも最後まで冷静に対応できたのは、藤田さんの今までのリンクスでの経験が豊富だったからです。僕自身はいろいろと戸惑いましたよ。急な風向きの変化に頭が付いて行かなかった。その辺がまだまだですね。藤田さんの今週の状態は本当に良かったんです。日本ツアーなら間違いなく優勝争いに絡んでいるくらいの仕上がり。それでもここでは予選を通過する事すら出来ないんですね・・・。

ただ、予選カットラインにはあとわずか2ストローク足りなかっただけなんです。その差が、もちろん大きな、大きな2ストロークだけれども、藤田さんのミスは昨日、今日の5回の3パットだけ。そこさえ抑えることができていたら、確実に予選は通過していたでしょう。

調子が悪かった「全米オープン」は予選カットまで1ストローク足りなくて、今回は調子が良かったのに2ストローク足りなかった。何なんでしょうね、ゴルフって。今年の全英オープンは、毎日今までに経験したこと無いくらいの晴天で、毎日本当暖かかった。暖かいっていうより暑かったですね。スコットランドもこんな天気の時があるんだって思いましたよ。

フェアウェイやグリーンの硬さも、過去に連れてきて頂いた全英オープン、全米オープンを含めて、今回のミュアフィールドが最強でした。ゴルフ場の芝生って、あんなに硬くなるんですね。今日なんかね、藤田さんの会心の5番ウッドでのティショットがフェアウェイをずっと転がって、約350ヤードも飛んだんですから!

しかし良いコースだったなぁ、ミュアフィールド。バンカーの配置は完璧だし、グリーンの形状も最高。そして何より景色が良い。ここにはもう一度来てみたくなりますね。

毎年日本人選手は、全英オープン出場にあたりたくさんの枠を頂いていますが、ほとんどの選手が結果を出せずに2日間で帰ってしまいます。そのため、日本人の出場枠が今後減らされる可能性もゼロではないんです。もちろんそうなった場合の責任は賞金王の藤田さんにも多いにあるでしょう。ただこればっかりはみんな全力を尽くした結果ですからね・・・。

だから、何としても松山英樹くんには頑張って欲しいんです。彼は日本が誇る世界で闘える侍です。リンクスでの経験もまだまだ足りないとは思うけど、そんなのは彼なら技術で上回れる。野球のイチロー選手が始めて海を渡った時のように、松山くんにはただがむしゃらに前に前に突き進んで欲しいな。

キャディの進藤くんと共に、ミュアフィールドでの最高の決勝ラウンドを楽しんできて下さい。やりたかったな、僕らも。もう1回やりたい初日から!本当にここは面白過ぎるんですから。帰りたくないけど、明日帰ります。皆さん、決勝ラウンドのレポートは残念ながら書けなかったけど、今日まで読んで下さり本当にありがとうございました。次は藤田さんと、3週間後に控えている今年最後のメジャー「全米プロゴルフ選手権」に挑みます。また応援して下さいね。

2013年 全英オープン