2013年 マスターズ

オーガスタ自己ベストの「68」 石川遼「シーズンで一番のゴルフ」

2013/04/15 07:33
「今シーズンで一番良いゴルフ」。石川遼にとって多くを会得する最終ラウンドとなった (Harry How/Getty Images)

ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催された今季のメジャー初戦「マスターズ」最終日。石川遼が5年連続の出場で自身のベストスコアとなる「68」をマークした。8オーバーの56位タイから出ると、自己最多の7バーディを奪取。通算4オーバーの38位タイに終わったが「今シーズンで一番良いゴルフだった。いつもイメージしているのがこういうゴルフ」と胸を張った。

最終組がスタートする約5時間前、まだ熱気穏やかなオーガスタ。だが石川は上位争いとは離れた位置から「とにかくバーディを獲ることだけを考えた」とアグレッシブに攻め続けた。1番でグリーン右からチップインバーディで発進。直後からはパーを並べたものの、第2打をいずれもピンそば1メートル強につけた9番から2連続バーディを奪う。

12番(パー3)でティショットを池に落として痛恨のダブルボギーとするが、「13番はチャンス。クヨクヨしていたらもったいない」と足早に次のティグラウンドへ。すると2オンに成功したこのパー5から、3連続バーディを決めた。17番は第2打をグリーンの奥にこぼしてボギーとしたが、最終18番で4メートルを沈めてバーディ締め。右の拳に、大きな手応えを詰め込んだ。「こういうラウンドができるんだなと思いました」。

最終日はグリーンの傾斜にぶつけたショットがカップに寄りやすい、比較的易しいピンポジション。「この(重圧のかからない)順位だからこそできたかもしれない。優勝争いの雰囲気が加わってくると・・・」と慎重な姿勢だったが、「3日目に(スコアを)落として、最終日に這い上がれたのは今後のモチベーションになる」と口元を引き締めた。

疑問の声を呼んだ3度目の特別招待選手としてプレーした今大会は、米ツアーのメンバーとなって初めて臨んだマスターズ。大会前には「シーズンの1試合」とも表現していたが「思ったよりも違いました」と考えを改めた。「これから、このコースのことをより考えながら練習すると思う。ここで通用するショットならどこでも通用する」。オーガスタはやはり、成長するための特別な舞台だった。

次週は休む間もなく米ツアー「RBCヘリテージ」に参戦。「今日のようなゴルフを続けていく、このレベルを上げていくことに集中して、やっていきたい。ここにもう一回戻ってくるというのは、絶対に目指さなきゃいけないライン。戻ってきて、優勝争いをすることをイメージしてやっていきたい」。シーズン中盤戦に向けて、そして将来へのターニングポイントにも十分なり得る4日間だった。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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