2013年 マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<3>】

2013/04/08 09:04
梅原敦のマスターズレポート2013 こちらが7番ホールのヤーデージブック。真っ直ぐなのに、難しい…(撮影:梅原敦)

今日7日はオフだったので、みんなで買い物に行ったりして一日ゆっくり過ごせました。練習がお休みだったこういう日は、せっかくなのでオーガスタの中から、1ホールを取り上げて、皆さんにご紹介したいと思います。

僕が紹介したいのは、11番~13番の“アーメンコーナー”や、16番、18番みたいな超有名なホールではないんです。大草原を意味する“パンパス”と名付けられた7番のミドルホール。

このホールは真っ直ぐなんです。本当にどこまでも真っ直ぐ。でもね。僕の中では「世界一難しいストレートホール」だと思っています。

ここの難しさは、ティショットからグリーン上までの全て。まずティグラウンドに立った時に、左右からせり出した大きな松林が狭いフェアウェイをより一層狭く見せてきます。パンパスがティショットで要求してくるのは、限りなくストレートに近いドローボール。左手前にある高い松林のせいで、スライスボールでフェアウェイに置くことはまず不可能でしょう。

次にセカンドショット。第1打がうまくフェアウェイに行ったとしても、藤田さんの飛距離だとフォローの時でもだいたい7番か8番アイアンを持たなければいけません。このホールは、かつては360ヤードのパー4だったんです。まだパーシモンの時代かな。でも、9番かピッチングウェッジでセカンドショットを打たせる設定で作られたこのホールも、道具の進化によりみんながアプローチウェッジやサンドで打つようになったため、2002年の大改造で410ヤードになったんです。

現在はそこからさらに伸びて450ヤード。フォローならまだしも、アゲンストだった昨日なんてセカンドショットはピンまでの残りが200ヤード、3番のユーティリティで打ちましたからね。

最後はグリーン。手前に3つ、奥には2つのバンカーに囲まれた奥行きが一番長いところで18ヤードしかないグリーンには、上から下への強烈な傾斜がかかっています。もともとの設定通り、ピッチングで打てるのなら最高に面白いグリーンになるんでしょうけど、今はその小さなグリーンをユーティリティで狙わなければいけない時だってあるんですから。

梅原敦のマスターズレポート2013 7番ホールのセカンドショット。練習日は3番のユーティリティで打ちました。(撮影:梅原敦)

そしてグリーン上は最大の難関です。右サイドの一段下がった狭いエリアにピンが切られた時に、真ん中の上の段に乗ったり、奥のバンカーに入ったりしたらパーを取る事さえも困難になります。乗せる事さえ難しいグリーンなのに、乗せてもなお難しいとなると、もはや手の打ちようがありません…。

このホールでは僕はもう祈るしかないんです。藤田さんが2回続けて最高のショットをして、2回続けて最高のパッティングをしてくれることを。

ジャック・ニクラスはかつてこのホールのセカンドショットをこう表現したそうです。
「チャンピオンシップ・ゴルフの中で、真っ直ぐなパー4で打つ最も難しい第2打」と。

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