米国男子ツアー

トム・ワトソン&キャディの友情に大声援

2003/06/14 09:00

30年近くもの間、トム・ワトソンのキャディを務めるブルース・エドワーズは筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病と闘っている。そんなブルースはワトソンにとって良き友人でありパートナー、キャディ以上の存在だ。そのブルースが今回ワトソンのバッグを担いでいる姿には選手達もそしてギャラリーも心を打たれている。そして大会初日、ワトソンの大躍進を最も喜んだのがそのブルースだった。バックナインに入ってワトソンが次々とスコアを伸ばす様を見ていたブルースが感情的になり、瞳を潤わせていたという。そのワトソン&ブルース組は初日ほどの活躍はできなかったものの、順当に上位で予選通過。行く先々でギャラリーから大声援を受けていた2人。どちらかというと、試合をしているワトソンよりもブルースに対する応援の方が多かった。

トム・ワトソン
「もうブルースとの付き合いは30年近くにもなるからね。少しずつ病気の症状がでてきてしまっているんだ」

ニック・プライスにはワトソンの気持ちが一番わかる。プライスは6年前に友人であり長い間のキャディ、ジェフ・スクイーキー・メドリンを同じ病で失っているからだ。

ニック・プライス
「プレーヤーとキャディというのはあまりにも多くの感情や経験を供にしている。ワトソンとブルースのように沢山の優勝を重ねていればなおのこと、多くの記憶を共有している。そしてプレーヤーにとっては同じ経験をしてくれたたった唯一の人物なんだ。良いショットも悪いショットもすべて一緒に経験している。10年後に思い出して話したりするんだ。そういう思いを分かち合う相手がいなくなるのは本当に辛い。プレーヤーとキャディはまさに夫婦のような関係だから」

スチュアート・シンク
「ワトソンとブルースのペアが大好きな選手は多い。私もその一人で、初日にワトソンが好プレーをするのを見るのも嬉しかったが、何よりブルースがバッグを担いでいる姿を見られて嬉しかった」

タイガー・ウッズ
「選手達全員がブルースのことが大好きなんだ。ワトソンの素晴らしさがそうさせるんだろうけれど、2人が一緒にいるのを見ると嬉しい。もう30年も連れ添っているんだよね。ブルースが必死に闘っている姿を見ると力が沸いてくる。ワトソンでなくてもブルースの必死の姿を見ていると本当に勇気をもらうことができる」

トム・ワトソン
「ギャラリーがみんな大きな声で一生懸命応援してくれた。私よりもブルースに声援を送ってくれたんだ。頑張れブルース、負けるなブルースってね」